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学長見聞録 vol.1:東北学院大学災害ボランティアステーションを訪ねて

(東北学院時報 2014年1月15日発行 第719号)

学長見聞録 vol.1:東北学院大学災害ボランティアステーションを訪ねて

2011年3月11日に発生した東日本大震災を契機に発足した「災害ボランティアステーション」。活動内容が多様化し、様々な組織との連携体制を築き上げるなど、災害ボランティアステーションの役割や機能は多岐に及んでいます。大震災から2年10カ月が経過した現在、どのような思いを抱いて活動を行っているのか、学生運営代表を務める長島心一さんにお話を伺いました。

学長
東日本大震災を体験されたときはどちらにいたのですか?
長島
千葉県にある暁星国際高等学校に通っていまして、当時は2年生でした。これまで体験したことのない揺れで、電球が落ちたり、本棚の本が落ちたり、停電になったり、大きな不安の中で過ごしました。
学長
大学に入学するまで、被災地へ行ったことはありましたか?
長島
高3の夏に、ボランティア活動のために2泊3日で釜石市へ行きました。町は災害廃棄物ばかりなのに、震災後にできたコンビニがぽつんとあって強い違和感を覚えました。
学長
そこでは、どんな活動をしたのですか?
長島
災害廃棄物の分別です。短期間しか手伝うことができなくて、心残りといいますか、自分が手伝った意味はあったのだろうかと葛藤しました。
学長
そうした経験から、もう一度被災地へ行ってボランティアをしたいという思いを抱いたのかもしれませんね。本学に災害ボランティアステーション(以下、ボラステ)があることは知っていたのですか?
長島
知っていました。すぐに加わらなかったのですが、入学後にボラステ宛にメールで問い合わせたことがありました。その後、しばらく経ってから元代表の菊地崇史先輩から「気仙沼へボランティア活動に行くんだけど、一緒に行かない?」と連絡があって参加しました。その道中にボラステの話をしたこと、現地で支援活動できたことで、一員となる決心をしました。
学長
ボラステの活動場所はどこですか?
長島
気仙沼市と七ヶ浜町をメインに、山元町を含めた3箇所です。七ヶ浜では、仮設住宅に暮らす住民の方に、足湯につかってもらいながら、手をもみほぐし、住民の悩みや不安、要望などのお話しを聞いています。こうした住民の声に少しでも応えていきたいと思います。また、夏のボランティア合宿では気仙沼へ行って他大学と一緒に活動しました。
学長
「夏ボラ」ですね。私もお邪魔して皆さんを激励できたことを覚えています。ところで、被災された方たちとはどのように交流を深めているのですか?
長島
支援する側と支援される側という立場になると、どうしても目に見えない上下関係ができてしまいがちなので、自分の祖父母や親戚の家に行ったときのような感覚で接しています。また、私たちからの支援を押しつけるのではなく、皆さんから求められていることに応えられるよう心掛けています。
学長
今後の活動に向けて課題はありますか?
長島
被災地の特産品を物販したり、活動報告をする場を設けたり、もっと大学の中で活動することで、震災を風化させないようにしたいと思っています。
学長
それはいいことですね。スタッフの意志によって被災地のこと、復興のことをアピールしていく広報活動は必要ですね。
ボランティア活動というのは、月日が経つと人数が減っていく傾向にありますが、息長く活動を続けていくことが大事になっていきますね。長島さん自身、この先どのように活動していきたいと考えていますか。
長島
就職や卒業などを控えていますが、卒業するまでボラステで活動したいと思っています。また、今後はボランティアをしてみたいと思っている人のサポート役もしていきたいです。
学長
ボラステの活動を行うにあたって、大学に何か要望はありますか?
長島
どんなに熱意を持っていても学生スタッフだけでは限界があります。もっと活動できるよう、サポートしていただける体制を整えていただけると嬉しいです。

「自分のことより、人のために何かをしていると嬉しく感じられるんです」という長島さんの話から、彼が本学に通い、ボラステに携わることは自然の流れだったのではと感じました。また、本学は人に仕えることを大切にしている学校ですから、ボラステがいつまでも続いていく存在であってほしいと強く願っています。

(2013年11月22日インタビュー)