東北学院大学

経済学部 共生社会経済学科

2023年4月募集停止

学生募集停止する学部・学科の全ての在学生に対しては、卒業するまでは入学した学科の所属及びその教育環境を維持し、学生生活及び進路・就職支援等につきましても、教職員一同責任を果たしてまいります。

第12回「40年前に終結したベトナム戦争の後遺症から“共生”を考える」

2015年5月9日開催

北村 元 氏

講師 北村 元

フリージャーナリスト

テレビ朝日にて報道に携わった後、現在、フリージャーナリストとしてベトナム戦争における枯葉剤後遺症の被害者支援活動を行っている。

世界の若者たち

国連人口基金(UNFPA)の「世界人口白書2014」を読みましたか? 「18億人の力 未来を変革する若者たち」と大見出しを付けています。経済的・社会的進歩にとってこれほど大きな可能性をもつ時代は二度と来ないでしょう。人類史上、最も若者が多い時代が到来したのです…と。

だが、若人にとっての日本社会は前途多難です。だからこそ、将来への明確なビジョンを抱く若人に変革の力が求められます。

社会にとって青年は、希望であり、エンジンです。

東北が生んだ文豪・高山樗牛の歌があります。

「君、歌へ、大に歌へ。理想を歌ひ、人道を愛し、進歩を信じ、無窮(むきゅう)に進む、是(こ)れ詩人たる君が天職也」と。

今を生きる大いなる使命を自覚して共生の道を進んでください。

さらに共感力を磨く:北村元氏からのメッセージ(2016年3月)

学生の感想

講演の様子

懇親会の様子

懇親会の様子

  • 私は内気で引っ込み思案です。仙台に来てからというもの、物事を面白いと感じることが少なくなりました。しかし、今回の講演会の内容の5つの幸福度向上のための行動、周りの人々とつながること、活動的であること、関心を持つこと、学び続けること、与えること、この中のどれも自分に当てはまっていませんでした。他人を信頼するほど寿命が長い、活動的であることが悪いことから抜け出す方法です。私は今回の講演会で、今後の大学生活を改善しようと思いました。(Yさん)
  • 私は北村さんの言葉で印象に残っていることがあります。それはベトナム戦争は歴史の教科書の出来事ではないということです。恐らく私のようにベトナム戦争や過去の悲惨な出来事について知らないような人達がいると思います。これから共生の社会、戦争のない世界をつくるためには、当事者のようにこの出来事を感じ、考えることが必要です。(Sさん)
  • この世界にはたくさんの不思議があり、解明されていないものも多数あります。このような分野への関心を持ち、この世界の構造について知ることが出来れば、それが幸福へとつながっていくと考えられます。さらに他人にも関心を持つことがとても重要であることが考えられます。他人に関心を持つことで他人に対して心を開くことになり、人に好かれやすい存在となり、それが幸福へとつながっていく、と私は考えます。関心を持つということが今後の人生にとってとても大事なことであるということを知ることが出来たので、これからは様々な出来事に関心を持ってみようと思いました。(Iさん)
  • 私達の暮らす日本は、世界で唯一の被爆国であるが、現在はその面影もないくらい平和になり、戦争の恐ろしさが風化されているように感じる。私も日本が昔戦争を本当に行っていたのだろうかと感じてしまうことが時々ある。しかし、北村氏の戦争という愚かな行為を繰り返さないためにも、戦争の恐ろしさを風化させてはいけないという言葉を聞いて、戦争を行っていたという現実を受け止めなければならないのだと感じた。そのためにも私達若者が戦争についてもっと関心を持ち、次の世代に伝えていく必要があると思った。(Kさん)
  • ベトナムで苦しんでいる人々やベトナム以外でも苦しんでいる人達を助けるにやはり医療もさることながら、その相手の話を聞いて悲しみや苦しみ、不安を取り除き、負担を和らげることだと考える。ソーシャルキャピタル、いわゆるコミュニケーション能力が高い国ほど寿命が高い傾向がある。よって私達がしなければならないことは、できるだけ若い人達が苦しんでいる人のもとへ行って、文字通り「手合て」していくことが大事であると考える。(Tさん)
  • 一番衝撃的だったのは被害者の姿だった。ベトナム戦争は何百万人という被害者を生み出した。体内に入り込んだ毒素は当人だけでなく、子や孫にも受け継がれた。こうした第二、第三世代の被害者は20万人もいるという。ベトナム戦争は過去の話などではなく、今もなお続いている。
    なぜ多大な犠牲者を出してまで戦争を行うのか。戦争には正義も正当性も有り得ない。戦争によって得られるものは何もなく、あるのは膨大な数の犠牲者と残された者の絶望だけだ。
    戦争は絶対に風化してはならない。犠牲者の悲しみを背負い、もう二度とこんな悲惨なことを起こさないようにするのが、僕ら現代人の務めではなかろうか。(Mさん)
  • この講演会は、ベトナム戦争の中身である「枯葉剤の被害」についてのもので、何もかも授業では聞いたことのない衝撃的な事実だった。
    この講演を聞いて、日本だけでなく世界にはどんな人がいて、どのような暮らしをしているかなど、大学で学びたいこと・知りたいことが増えた。
    ベトナム戦争での戦死者は、越300万人以上、米5万人、濠521人だが、その後の自殺者は、米10万人、濠1500人以上と戦死者よりも圧倒的に多い。このような事実があるにも関わらず、なぜ世界では戦争を繰り返し行われているのだろうか。このことについていろいろな人と議論したいと思った。この講演会を聞いて、視野が広がったように思う。(Sさん)
  • 今回の講演会を受けて、化学兵器の恐ろしさについて知ることができました。北村さんの話を聞いて、私の認識している戦争よりはるかに危険かつ残酷であると考えを改めざるを得ませんでした。特に枯葉剤の影響というか恐ろしさは、私の中で群を抜いて印象に残りました。アメリカ軍は、一時的な作戦で後世に渡り熱帯の密林の生態系破壊をもたらした他、発癌性や胎児への催奇性など、悲惨な災害を与えました。戦争に勝つためとはいえ、こんな残酷は方法を使うとは、なんて人間は恐ろしいのだろうと思いました。
    この戦争を深い所まで知ってから私は今の平和のありがたさと大切さを実感し、これからもこの平和が続けばいいなと思いました。しかし、今もなお世界のどこかで紛争は続いているとよく聞きます。その戦争を自分たちとは無縁だと思わずに、この4年間で戦争への見聞などを広めていきたいと考えています。(Sさん)