学部長あいさつ

工学部長 伊達 秀文
東北学院大学工学部は、東北の地に高度な科学技術研究基盤と工業産業を確立する目的で、仙台駅から快速電車で約10分の仙台市に隣接した東北地域屈指の学術研究都市であるとともに日本三大史跡(奈良県・平城京、ここ多賀城(陸奥国府)そして福岡県・太宰府)が存在する歴史的文化都市でもある多賀城市に、 1962年に設立されました。工学部の設立に当たって、当時の学長小田忠夫先生は「この地を日本のスコットランドそして日本のスイスとするために工業技術の発展に寄与したい」とその設立の目的と意義を宣言されました。このことは、それから遡ることさらに76年前(1886年)に東北学院を創設した初代院長押川方義先生の夢でもありました。スコットランドは高性能の蒸気機関を発明したワットや電磁気学を完成されたマックスウェル等の科学技術史上の偉人を輩出したことで有名ですし、スイスはご存じのように豊かな自然環境の地であるとともに精密機械工業を始め電子産業等の先端技術の発祥の地として知られています。この学部設立の思いは、現在の東北学院大学工学部にも連綿として受け継がれています。
本学工学部の教育理念は、「人類の幸福と望ましい環境の創造に必要な工学技術を理解し、かつ自ら思考できる人物を育成」することです。また、教育の目的としていることは、本学の建学の精神に基づいて、人間社会に貢献する「幅広い教養と正しい倫理観を持つ工学技術者」を養成することです。本工学部で学ぶ学生が、物理学・化学に基礎を置く「工業生産技術、エネルギー供給技術、情報通信技術および社会基盤技術」と、主として生命科学に基礎を置く生物工学・福祉工学・環境保全技術などの「人間の福祉の増進と地球環境の保全に貢献しうる技術」について、それら基礎をなす要素知識を理解しかつ思考できるようになり、そして「真に高度なレベルの科学技術」とは何かを自ら理解できるようになる教育を行うことにしております。また、この理念に基づく教育を通して、人間社会に貢献しうる真に有為な技術者を養成し輩出することを目指しています。
具体的に東北学院大学工学部で行う教育の達成目標として掲げていることは、工学部で学ぶ全ての学生が以下に掲げる5つの項目について身につけることができるようにすることです。
工学部に学ぶ全ての学生が、
- (1) 広くかつ深い教養に裏打ちされた隣人愛
- (2) 社会への献身的奉仕の精神
- (3) 科学技術における正確な知識と思考能力
- (4) 科学技術を通して人類福祉を向上させる力
- (5) 社会及び組織におけるリーダーシップ
単に技術知識を修得するだけではなく、新しい技術・新しい産業を生み出すために必要とされる「科学的に考える力」と、人類社会との関係の中で必要となる科学としての「人間の真の叡智」を学んでもらい、一人でも多くの「社会に貢献する工学技術者」を輩出するために、学生の視点に立った最良の工学教育を提供しています。
また、本学工学部では教養教育をも大切にしています。教養教育を通して、文化とは何か幸福とは何かそして人間の本当の豊かさとは何かを学ぶことは、現代社会を豊かに生きようと思う人間にとって基本的に必要なことです。教養教育を身につけないで工学のような専門職業の道に入ったとしても、自らを豊かにすることはできませんし、ましてや社会を豊かにすることはできません。正しい倫理観を持った技術者でなければ「真に高度なレベルの科学技術」が何かを見極めそして人間のために役立てることはできないと思います。特に学生の皆さんには、キリスト教の精神を基盤とする人類愛を学んでほしいと願っています。人類愛を学ぶとともに絶えず新しい人類愛を探求するという建学の精神を拠り所として、自らの進むべき道に確信を持ってこそ、真に個性的で自由な発想を生み出すことのできる豊かさを持った人間に成長できると思うからです。
本学工学部は、常に社会の新しい要請に応えられるよう絶えることなく学部改革を続けています。21世紀に対応する科学技術教育を提供すべく学科の教育組織を改組し、入試方法やカリキュラム内容の改善し、IT教育の大幅な充実や工学基礎教育センターの設置など、これから入学してくる学生の皆さんそして現在この工学部で学んでいる学生の皆さんにとって、勉学の場としての教育環境と教育内容を常に最良なものとして提供することに全力で取り組んでいます。東北学院大学工学部が提供する教育プログラムに参加し、21世紀にふさわしい科学技術を学びそして社会に大きく羽ばたかれることを期待します。
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