教員プロフィール 楠 義彦 教授(ヨーロッパ近世史) 研究テーマ イギリス近世における国家と社会の諸関係を、魔女狩りや国教強制を具体的な手掛かりとして研究する。 研究トピック 歴史を考え、人間の無意識の行動を捉える 人間の言葉や行動は環境因によって規定される部分の多いことがわかってきました。これは貧富の問題や作況、経済状況、気候といった自然環境だけではありません。パラダイムやエピステーメーといった思考基盤や方向性の中で、歴史事象を考えていくことに取り組んでいます。これは純粋な思想史ではなく、広い意味では社会史になると思います。具体的には近世ヨーロッパにおける魔女狩り、イングランドの宗教改革、史料論を手がかりに考えています。アプローチ方法の1つとして、かつてコンピュータを用いた文言分析(テキスト・マイニング)を行っていました。現在、世界的にデジタル・ヒューマニティーズという動向が出てきています。2023年に生成AIが登場し、歴史学研究の方法も大きく変わるのではないかと注目しています。 テキスト・マイニングで文書資料を分析した例 楠ゼミの卒業論文タイトル例 「ハンス・バルドゥング・グリーンと16世紀社会における女性像」 「1755年リスボン地震に関する一考察」 最近の著作 「エリザベス時代におけるレキューザンツ(Recusants)の形成と変容」『歴史の誕生とアイデンティティ』日本経済評論社 2005年 「エリザベス治世期の魔術禁止法」『西洋史研究』 新輯第17号、57-78頁, 1988年 「イングランド国教強制政策における主教-1577年、国教忌避者全国調査報告書の検討-」『歴史学・地理学(東北学院大学論集)』33 2000年