東北学院大学

法学部

陶久教授のドイツ留学日記(23)

2015年12月28日

【野の花や木々】

 季節は初秋。木々は実をつけ、鳥を誘っています。9月20日の日曜日は家でゆっくりとし、昼食後に近くを散歩しました。ゲストハウス前から東側に伸びる坂道を上っていくと、清掃作業で刈り取った草が集められています。中に、赤い実をつけたバラに似た植物がありましたので、ちょっと失敬。近くに咲いていた、黄色い小菊のような可憐な花と一緒に持って帰りました。拙作の一輪挿しに、池ノ坊の教授が手際よく生けてくれました。151228-1-1.JPG
 帰宅後、図鑑で名前を調べると、Hunds-Rose(犬バラ)というものらしい。全然ロマンチックではない名前です。しかし、ゲルマンの伝統では、「愛の女神」という意味もあるのだとか。「死後も尚永遠に生きる精神」のシンボル、という説明文も見受けられます。
 坂道の途中にはjapanische Eibeという木もありました。151228-1-2.JPG葉の様子からして「樅」のようですが、赤い小さな実をつけているところからすると「槇」のようでもあります。小図鑑で調べても、残念ながら該当する木は載っていません。しかし他方で、japanischという修飾語の付いた木が何と10種類もあることが分かりました。明治前後に盛んにドイツに持ち込まれたのです。KatsurabaumとかGinkgoといった名称もそのまま残っていますし、キャンパスにも植えられています。日本にやってきた外国産の植物も多数ありますが、逆にドイツの地でその頑強さ故に生き残っている日本産植物も、少なからずあるのです。
 

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Katsurabaum Ginkgo

法学部教授
陶久利彦