東北学院大学

法学部

陶久教授のドイツ留学日記(30)

2016年02月23日

【臨死介助法と討論会】
 1月14日(木)夜8時15分からはカソリックの学校で、SterbehilfeについてのPodiumdiskussionという催しに参加しました(http://www.samiki.de/bho/dcms/sites/bistum/pfarreien/goemichael/index.html)。昨年11月に、臨死介助についての法案が各政党から提出され、議論の末に刑法217条に一定の結論が盛り込まれました(紹介文として、例えばhttp://www.lto.de/recht/hintergruende/h/gesetzgebung-sterbehilfe-tatbestandsmerkmale-analyse/)。本日は、その案について、法学者(=Duttge先生)、医学者、新旧キリスト教関係者、ジャーナリスト、倫理学者等がパネルディスカッションをするというものです(PDFファイル参照)。雨が結構降っていて不便な中、会場を目指します。30分ほど前には入場したのですが、既に相当数の人が集まっています。待っている間に益々聴衆は増えてきて会場に収まり切りません。学生が多くを占める参加者は廊下にまで溢れ、150名くらいに達したでしょうか(写真参照)。

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 冒頭に、第5セメスターの女子学生が会の趣旨を説明していましたから、学生主催の会だったようです。それにしても、6人ものゲストスピーカーに集まってもらって、それぞれに発言の機会を与えフロアーからの意見をも受けて全体を構成していくには、相当な準備が必要だったでしょう。今回も又、発言内容のすべてを理解できなかったばかりか理解できた部分の方が少なかったのですが、それぞれに異なった立場と意見が飛び交い面白い会でした。閉会の時にも学生が挨拶をし、今夜の議論を踏まえて家族や友達と議論をして自分の考えを確立しましょう、と呼びかけていました(すぐさま、「悪い夢を見ないでね!」という合いの手が入りましたが)10時過ぎに閉会。Duttge先生の刑訴の授業を受けている3人(トルコ人二人と私)でタクシーに乗ろうと思ったところ、もはや一台も見当たらず。やむなく、10分ほど歩いてバスで一緒に帰宅の途についた次第です。

法学部教授
陶久利彦