東北学院大学

法学部

陶久教授のドイツ留学日記(48)

2016年05月02日

 【パウラ モーダーゾーン・ベッカーPaula Modersohn-Becker】
 彼女のことは、ブレーメンに行って初めて知りました。街のKunsthalleに彼女の作品を20点以上も並べた部屋が用意されています(写真左下は、落ち葉の向こうにKunsthalleを望む)。30歳ちょっとで夭逝した画家ですが、前世紀初頭では女性が画家として独り立ちするのは甚だ困難でした。その彼女がどのようにして画家になり、風景画家だった夫のOtto Modersohnとは比較にならないくらい高い評価を今日受けているのかの説明は、美術評論家に委ねます。彼女は手紙や日記を沢山残してくれましたから、伝記を書くには格好の人物です。私が学生時代に親しんだRilkeと親交があったことは、彼女の伝記を読むまで知りませんでした。
 ブレーメンの観光地であるBoettcherstrasseには、彼女の美術館があります(写真右下)。そこに代表作があるのは当然ですが、ハノーファーの美術館にも彼女の作品ばかりを集めたコーナーがあります。ドイツ表現主義の先駆けと見なされているようです。どの画を見ても、人物の造形や色が「画」になっていると感じさせてくれます。一体何が「画」を作り出すのでしょう?

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法学部教授
陶久利彦