東北学院大学

法学部

陶久教授のドイツ留学日記(49)

2016年05月02日

【エルンスト・バールラッハErnst Barlach】
 彼の彫刻は、ドイツ旅行案内で所々触れられています。実物を初めて見たのは、ブレーメンのKunsthalle(写真左下は、Kunsthalleから見た街の風景)。ドイツ表現主義作家達の作品が並んでいるところで、たった一つ木彫りの彫刻が置かれています。羊飼い。正面から吹き付ける風に抗って子羊を自分のマントの下に庇っている像です。
 非常に宗教的なモチーフであるばかりか、鑿の当て方や身体の形がちょっと円空仏を彷彿とさせます。ハンブルク近郊にあるErnst Barlach Hausには、思ったほど多くの作品が残されているわけではありませんでしたが、それでも一つ一つの彫刻は極めて精神性が高く、印象深いものです(写真右下は、Barlach Haus前の芝生に広がるクロッカス)。彼は、彫刻以外にも、絵画や演劇、小説やエッセイの世界でも活躍しています。ナチ期に亡くなりました。もっと彼のことを知りたい、と思わせる芸術家です。

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法学部教授
陶久利彦