陶久教授のドイツ留学日記(65)
2016年06月16日
【時間の流れと休日】
ドイツに来ると、時間がゆったりと流れているような気がします。これは、日本人大学関係者のだれもが認めるところです。普段の義務から解放されているのですから当然とも思えますが、それ以外にも理由がありそうです。ゲッチンゲンが田舎大学街だからでしょうか。確かに、そうかもしれません。おかげでゲッチンゲン病とでも名付けたくなるような、平和ボケに全身が包まれてしまいます。
しかしもう一つの要因として、日曜日が完全な休日であることも指摘したくなります。特にお店が休みなのは重要です。以前は土曜日も現在ほど遅くまで開いていませんでした。今は、朝7時から夜10時までが開店時間というスーパーもありますし、ガソリンスタンド併設の24時間ストアーもあります。しかし、レストランやカフェーを除き、街のほぼすべてのお店が日曜日にシャッターを下ろしているのは、静かな時間を少なくとも週に一度は共有する機会を提供します。それは、人々にゆとりをもたらし、生活にメリハリをつけることでしょう。
日曜の朝、10時前には教会の鐘が響き渡り、人々を国家や地域とは違う共同体へと誘うのは、それはそれで大きな伝統です。(写真は、5月16日精霊降誕祭で休日の街中)
法学部教授
陶久利彦