東北学院大学

法学部

陶久教授のドイツ留学日記(69)

2016年07月25日

【ドイツ語―その4】
 日本語もそうですが、ドイツ語も若者がしゃべる言葉はよく聞き取れません。この点は、世代間相違もあってもうあきらめています。しかし、地域性の違いを考慮してもドイツ語はこの30年ほどで随分と変わったのではないか、と思われる節があります。
160725-2-1.jpg かつて知り合ったドイツ人男性は、ドイツ語は音楽的だmusikalischと自慢していました。彼の言を納得させるようなドイツ語を聞いていたような記憶も、かすかにないではありません。けれども、それはもう昔の話。街やテレビで今耳にするドイツ語の殆どは、平板口調です。あるいは、しり上がりのイントネーションを持っています。ちょうど、日本でも一時期流行った半クエスチョンのよう。どう聞いても、美しい音楽を奏でているとは言えません。
 音程も気にならないではありません。特に、若い女子学生がしゃべる一定の音階は、ベタベタと耳についてあまり愉快ではない。これは、私の年齢もせいもあるでしょうし、ドイツ語に少し慣れてきたからでもあるでしょう。でも、ZDFのPetraさんが良いなどというのは、加賀美幸子さんを標準語の模範としている古い人間のノスタルジー以外の何物でもないのでしょうか?(写真は、ドイツ語に多大の関心を抱いていたグリム兄弟の記念館。Kasselにある。)

法学部教授
陶久利彦