東北学院大学

法学部

陶久教授のドイツ留学日記(74)

2016年08月18日

【夏学期の会議―Menschenwuerde,Pietaet fuer die Gestorbenen】

160818-2-1.JPG 6月24日(金)12時から夕方まで、医療倫理研究所主催の会議が開かれました。報告者はスイスからの講師やHannoverの医科大学教授など、結構な人数になっています。聴衆も含めると、50名ほど。全体テーマは「死者・死体への敬意ある取り扱い」。研究所所長のLipp先生のご挨拶に続いてDuttge先生が会全体の趣旨を述べ、160818-2-2 .JPGその後、解剖学の歴史的回顧や愛する人の死に対する遺族の哀惜、中絶後の死亡胎児との関係等々の話題について、歴史学・医学・法学・倫理学など他分野の教授が報告をし、議論を交わします。コーヒータイムには、サンドイッチを頬張ったり、お菓子をつまんだりしながら、死者の弔い方について、日中トルコ間での比較が論じられました。この問題は、臓器移植にも大きく関係するはずです。
 会の途中、外は激しい暴風雨になり、発言も明瞭には聞こえないほどでしたが、会の終了時には晴れ間も顔を見せ、穏やかな天気が回復しました。丁度、死者との別れが気持ちの上で吹っ切れたように(写真は、会議開始前の様子と、発表者との質疑応答の一場面)。

法学部教授
陶久利彦