東北学院大学

法学部

陶久教授のドイツ留学日記(75)

2016年08月22日

【夏学期の会議―das strafrechtsvergleichende Seminar】

 6月30日(木)から3日間、イスタンブールから学生6,7名と教授3名がゲッチンゲンを訪れ、研究会を開催しました。6年前からこのような形で年に2度、相互交流がなされているのですが、3月実施予定だったイスタンブールでの会議は、中止になったそうです。政情不安が治安の悪さを160822-1-1.JPG引き起こし、それが学問的交流にも影を落とします。その分を今回のドイツでの開催で補うはずだったのですが、6月28日にはイスタンブール空港でテロが発生。会の開催自体も案じられました。幸い、関係者は既に数日前からドイツに到着しており、本日の会議実施に至ったとのことでした。
 私は、学生たちの発表日である7月1日と2日はお休みにして、初日の会議にだけ出席しました。参加者は、全部で30名ほど。トルコ人刑法学者2名はドイツ語で、もう一人は達者な英語で発表をします。160822-1-2.JPG全体テーマは「刑法と現代のテクノロジ―」Strafrecht und moderne Technologien。但し、各報告者は自分なりにそのテーマを解釈し、具体的テーマへと変換していきます。
トルコ刑法の80%はドイツ刑法と同じ。現行トルコ刑訴はドイツ刑訴のほぼ全面的な翻訳とのこと。ですから、ドイツ学会での議論はすぐさまトルコ学会に影響を及ぼします。難民問題のみならず、両国の関係は私が思っていた以上に濃密です(写真は、いずれも会議の様子)。

法学部教授
陶久利彦