東北学院大学

法学部

陶久教授のドイツ留学日記(78)

2016年08月25日

【留学のすすめ】
 帰国が目前に迫ってきましたので、今回をもって私のブログ記事は終わりです。
 このたびの在外研修で痛感するのは、当地のキャンパスやゲストハウスを中国人が席巻している一方で、若い日本人留学生の姿をほとんど見ないということです。日本語を耳にしたのはたった2回。欧米諸国で見聞を広めた人々がリードするこれからの中国には大いに期待したいのですが、日本はどうなるのかと不安も募ります。
 将来を担う若人が世界各地から集まり、最初はぎごちない笑顔の交換だけに終わるとしても、やがて他愛のない会話や情報交換を楽しみ、時には衝突をはさみながら互いの理解を深めていくのは、素晴らしいことです。若ければ若いほど、異質なものとの直接のふれあいは、それ以降の人生の根幹を形作る得難い体験になることでしょう。1か月の語学研修だけでも、計り知れない刺激を与えてくれるはずです。学生諸君にはぜひ、余りに細やかな配慮が行き届いているガラパゴス日本から外に出て、少々荒々しいけれども、ある意味で「自由な」世界に触れる機会をもってほしいと願っています。
 翻って私はと言えば、若人が集う「大学」という組織の重要性を改めて認識し、その末席に連なっていることの幸せと責任をしみじみ感じた1年でした。
(写真は、TANDEMの後、妻が通算8週間通った語学学校Prolingua(http://prolingua-goe.de/?id&lng=ger)の建物。私がお世話になっていた研究所のすぐ近くにあります)

160825-2_01.jpg 160825-2_02.jpg

法学部教授
陶久利彦