東北学院大学

新着情報

【新刊書籍のご案内】総合学術誌『震災学』(本学発行)が創刊されました。

2012年07月25日

 

『震災学』創刊号

発行:東北学院大学
発売:荒蝦夷

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2012 年7月20日(金)発売
税込1,890円(本体1,800円) A5判320 頁
ISBN978-4-904863-23-7 C0036 \1800E
一般書店、大学生協、オンライン書店(honto)にて販売



【『震災学』の発行にあたって】

 震災から1年が経過し、これまでの対応を顧みる反省の時期にさしかかっている。
 震災が問いに付したことは数知れないし、測り知れない。エネルギーの問題、ジャーナリズムの問題、福島第一原子力発電所事故、津波、どれをとっても問題の及ぼす範囲は幅広くてどこから切り込むべきかの糸口すらよく見えない。
 大学では、こうした一連の湧き出してきた問題、一つの専門化された学問では解決しようもない問題にどう対処し、どう答えようとしているのか。
 『震災学』を発刊することは、被災した地にあって被災した人々とともに苦しみ生きてきた大学においてこそ、なされなければならないことと考える。すべての問いと課題に一挙に解答を与えることなどできない。この本が、問いを共有する者たちにとって、互いに意見を交換し合う場となることを望んでいる。



【目次】

○創刊に寄せて/『震災学』編集委員会

○第一章 震災が問うた基礎的な諸問題

・シンポジウム「復活と創造 東北の地域力」基調講演
  人間復興を求めて 新生東北が日本を変える/内橋克人(経済学者)

・災厄と経験/佐々木俊三(東北学院大学教養学部教授)

・東日本大震災被災地・者に、市民はどのような支援活動を行ったのか
 市民社会の奥深い存在を見出すために/岡本仁宏(関西学院大学法学部教授)

○第二章 被災地の現実

・「棄民」と「帰民」を分けた創造的復興
 日本の災害復興を考える/山中茂樹(関西学院大学災害復興制度研究所主任研究員)

・「現実を見ること」と「現実に見られていること」/郭基煥(東北学院大学経済学部准教授)

・震災ブログから振り返る原発事故被災地の一年/寺島英弥(河北新報社編集局編集委員)

・被災地の現実 宗教の立場から/川上直哉(仙台キリスト教連合被災支ネットワーク(東北ヘルプ)事務局長)

○エッセイ

・大震災があらわにしたもの/熊谷達也(作家)

○第三章 災害とボランティア

・シンポジウム「東日本大震災と学生ボランティアの役割―大学間連携による取り組みとその課題―」基調講演
  ボランティアと市民社会 阪神・淡路大震災と東日本大震災からの問題提起/似田貝香門(東京大学名誉教授)

・原発被災地における〈逗留者〉の「活動の論理」―原発四五㎞圏=相馬市におけるボランティアとネットワーク―/齊藤康則(東北学院大学経済学部講師)

・大学による災害ボランティア活動への取り組みに関する一管見 東北学院大学災害ボランティアステーションの体験から/阿部重樹(東北学院大学経済学部教授)

○第四章 唐桑の漁業と災害

・座談会「復活と創造 東北の地域力」三陸の資源と産業
  非常識への挑戦から新たな連携へ/畠山重篤(NPO法人森は海の恋人代表)×村上教行(イオンモール会長)×星宮望(東北学院大学学長)

・津波と海の民俗 宮城県気仙沼市唐桑町の伝承文化から/川島 秀一(神奈川大学特任教授)

・なぜ集団移転地は海が見えるところでなければならないのか 気仙沼市唐桑町舞根の海にみる領域意識/植田今日子(東北学院大学教養学部講師)

・遠くから私が気仙沼にこだわるいくつかの理由
  「ドキュメント」のひとつとして/梅屋潔(神戸大学国際文化学研究科准教授)

○第五章 災害とジャーナリズム

・情報ボランティアと東日本大震災
  ハイパーローカルメディアとしての実験/八浪英明(河北新報社編集局デジタル編集部長)

・ソーシャルメディア時代における地方紙の役割と地方発信の意味/藤代裕之(ジャーナリスト)

○記録

・東日本大震災十日間のドキュメント