東北学院大学

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『仙台湾/海岸エコトーンの復興を考える~浜辺の生きものからのメッセージ~』が開催

2012年12月20日

 12月16日、土樋キャンパス・押川記念ホールにおいて『第3回・フォーラム 仙台湾/海岸エコトーンの復興を考える~浜辺に生きものからのメッセージ~』が開催されました。今回で3回目となるこのフォーラムは、東北学院大学教養学部地域構想学科教員グループと東京情報大学や地元研究者・専門家が、それぞれの視点から調査・研究を進めてきた結果を広く公開し、調査活動の評価や復興支援に向けた今後の活動のあり方などを議論するものです。

 開会にあたって、世話役である教養学部地域構想学科の平吹喜彦教授が開催の趣旨を説明、時間経過によって回復の兆候を示す生態系の観察と研究の重要性を述べました。

 今回のフォーラムでは、「砂浜海岸エコトーンの景観・構造・ダイナミクス」や「干潟・湿地の底生動物とその復元状況~蒲生干潟を中心に~」など、“生きもの、その生活環境(ハビタット)、人間活動の現状”について、話題提供者から6つの情報が報告されました。最後には、教養学部地域構想学科の宮城豊彦教授による今回の震災の影響と、これから予想される宮城県沖の地震や三陸沖で想定されるアウターライズなどについて解説されました。宮城教授によると、数年単位の生態系の回復とは次元の違いすぎるミレニアム級の災害について、過去のデータはほとんど皆無。今、こうしてデータを蓄積することは、将来のためにも必要なことだ」と力説しました。

 フォーラムの締めくくりは、植生学会震災復興プロジェクトチームの原正利氏と日本生態学会生態系管理委員会の津田智氏による各団体の報告とあいさつが行われました。その後来場者から寄せられた質問に対する発表者回答などが行われ、約4時間に渡った第3回フォーラムは幕を下ろしました。

 いにしえに発災したと言われる巨大津波・地震などの資料が残されていない状況から、東日本大震災で大きく崩されてしまった生態系がどのように変化を遂げていくのかなどを長期的にモニタリングできた今回の報告は、そのどれもが世界的に貴重なものばかり。今後は「産学官民」が一体となって互いの情報を共有し、生態系の再生や復興につなげていくことが大切だと考えさせられたフォーラムとなりました。

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