東北学院大学

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東北学院大学アジア流域文化研究所主催「日中比較塩業史研究」開催

2013年09月27日

 9月21日、土樋キャンパス押川記念ホールにおいて、東北学院大学アジア流域文化研究所主催の公開シンポジウムが行われました。この日のタイトルは「日中比較塩業史研究―その可能性を展望する―」。同研究所は、宗教文化構造を明らかにすることを目的に、日中韓周縁域における研究状況の発表・考察を行っていますが、今回は日中の塩業史と現在の研究状況を比較・考察することをテーマに開催されました。
 冒頭、あいさつに立った同研究所所長であり、東北学院大学文学部の谷口満教授は、塩業史への興味とともに、「東日本大震災によって貴重な遺跡が流失したことで、塩業史研究に対する危機感を持った。ぜひ研究を見直す機会にしたい」と、開催への想いを語りました。

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 発掘報告に先立ち、まずは東北学院大学の岩本由輝名誉教授が、東日本大震災で流失した松川浦塩田遺跡を回顧し、福島県浜通りの塩業史について講演。続いて、重慶市文化遺産研究院の牛英彬氏、山東大学の王青氏がそれぞれ、重慶東南郁江流域塩業遺址と山東省南河崖西周煮塩遺址の研究について発掘報告を、さらに重慶文化遺産研究院の白九江氏が「四川盆地の塩業技術」と題した研究報告を行いました。

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 また、愛媛大学の村上恭通氏が最後に登壇し、「中国の塩業考古学に関する新しい報告がこれほどたくさん聞けたのは、おそらく日本で初めてのことではないか」と、今回のシンポジウムの成果を強調。今後の研究についての期待を込めて、総括コメントを述べました。

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 シンポジウムに出席した男性からは、「素晴らしい報告だった」という感想も聞こえるなど、多くの参加者を満足させた今回のシンポジウムでした。次の開催もぜひご期待ください。

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