東北学院大学

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「復活と創造 東北の地域力⑥震災と宗教―悼みと向き合える社会へ―」開催報告

2014年07月14日

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 東日本大震災からの復興のあり方を考えるシリーズ企画「復活と創造 東北の地域力」が、7月5日土樋キャンパス押川記念ホールにて開催されました。
 未曾有の大震災から3年が経ちましたが、今なお心の痛みや悲しみは表面には見えなくても奥深くに刻まれています。シリーズ第6回は「震災と宗教―悼みと向き合える社会へ―」と題し、そうした心の痛みや悲しみに向き合う技術を培ってきた宗教が、震災においてどのような役割を担うべきなのを識者とともに考えるシンポジウムです。
 冒頭、松本宣郎学長が「大震災以後、忘れられてきたことのひとつが生と死の問題。どのような思いで取り残された方々に寄り添い、そして向き合い、手当ができてきたのだろうか。そういった思いを込めて主題を取り上げました。東北学院大学は、これまでさまざまな形で復興にかかわる方をお呼びし、あるいは現地へ赴いてまいりました。いろいろな思いを込めて、被災地、被災者の復興につながる会になることを願います」とあいさつしました。

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 第一部は、宗教学者の山折哲雄氏による「セラピストと教誨師(きょうかいし)の違い」、そして宗教人文学者の山形孝夫氏による「震災から見えてきたこと―想定外を想定する力―」と題した基調講演が行われ、これまで人はどのように悲しみを乗り越えようとしてきたのかをさまざまな経験や書物などからひも解き語ってくれました。

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 第二部では、佐々木俊三副学長の進行のもと、第一部の山折氏と山形氏の両氏に、立教女学院短期大学学長の若林一美氏、株式会社清月記社長の菅原裕典氏、関西学院大学災害復興制度研究所リサーチ・アシスタントの福田雄氏による「“悲しみの技術”を巡って」というテーマでパネル討論が行われました。それぞれ立場が異なるパネリストたちがどのような技法によって悲しみと向きあってきたのかを話し合うなど、死者に向き合い生きていく社会について真剣に考えていくことの大切さを気づかされたシンポジウムとなりました。
 このシンポジウムの採録は、7月27日(日)の河北新報朝刊に掲載される予定です。

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