東北学院大学

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文化財レスキュー 「牡鹿半島 海のくらしの風景展 in 鮎川」 今年も4日間にわたって開催

2014年08月22日

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 旧牡鹿体育館に隣接していた捕鯨の町・鮎川の文化財収蔵庫は、東日本大震災による津波の直撃を受け、収蔵されていた民俗資料が流出し泥とがれきに埋もれてしまいました。東北学院大学博物館は文化庁の要請を受け、流出した鮎川収蔵庫の文化財をがれきの中から救出し、以降3年半にわたって、洗浄、乾燥、脱塩作業、そしてカビ防止の燻蒸作業などを繰り返し行ってきました。
140822-1_05.jpg 震災の年のお盆には、取り壊される前のコミュニティセンター内で、2012年からはコミュニティセンターの跡地で、毎年救出した民俗資料・文化財を鮎川に運び、流出してしまった民具・道具がどのように使われていたのか聞き取り調査を続けてきました。そして今年2014年の夏は、通算6度目の「鮎川のくらし展」となりました。
 8月17日朝、東北学院大学土樋キャンパスの保管場所から民俗資料を運搬し、鮎川に到着後すぐにテントを張って民具を展示、お昼過ぎから鮎川地区の皆さんの来場を待ちました。当日は時折小雨の降るあいにくの天気でしたが、テレビの取材や新聞社も訪れ、翌日のニュースで報じられました。
140822-1_03.jpg 8月17日から20日までの4日間で、来場者は約300名、また新たなレポートを集めることができました。
 鮎川地区では、会期中、朝・昼と毎日3回、地区内の広報アナウンスで、東北学院大学の学生たちの取り組む「文化財レスキュー」を案内してくれて、聞きつけた人たちも多く来場しました。また、昨年に引き続き近くの特別養護老人ホームに入所しているお年寄りからもじっくりと聞くこともできました。
 指導に当たっている文学部歴史学科の加藤幸治准教授によると、地域の人たちも覚えてくれて、顔を見に来たり、差し入れをいただいたりと、とてもいい関係がつくれているといいます。
140822-1_04.jpg 来年は石巻市の仮設収蔵庫に、一時保管している民俗資料を戻す作業が待っています。震災から4年目、震災の年に入学した現在の4年生は、入学式がなかった学生たちです。この4年間「文化財レスキュー」として通い続けた学生たちは、来年に予定されている収蔵庫への返還に感慨深いようすでした。
 今年も文化財レスキュー in 鮎川展に来場いただきました皆さま、支援いただきました地域の皆さま、ありがとうございました。そして、文化財レスキューの学生・OBの皆さん、お疲れさまでした。次は10月のサンファン館での石巻展、そしてせんだいメディアテークでの仙台展と続きます。詳しくは後日お知らせいたします。

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