東北学院大学

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平成26年度9月期卒業式

2014年10月03日

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 9月30日、今年度の9月期卒業式が押川記念ホールで行われました。大学院は工学研究科環境建設工学選考博士課程前期過程の平田一真さん、学部は角田奈津美さん他33名に学位記が授与されました。

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■松本学長告辞

 今日この日卒業される東北学院大学生33名と大学院生1名の皆さんに、心よりお祝い申し上げます。
 皆さんは4年、あるいは2年前、「あなた方が選んだのではなく、神があなた方を選んだのだ」という言葉で迎えられて、この東北学院の学生になった方々です。
 この4年の間、泉であれ土樋、多賀城であれ、この大学に過ごし、空間と時間を共にした皆さんです。よく学び、よき友、よき師との出会いを経験したと思います。それぞれの学部・学科・研究科の専門領域の知識を身につけ、社会人としてこれからの将来を生きてゆく基礎力を得たと思います。それらの力を基盤にさらに発展させ、強くしていってほしいと思います。よき人たちとの出会いも、生涯皆さんと共にあり、支えとなるでしょう。
 東北学院大学は、こうして皆さんをお送りすることをとても光栄でうれしいことと感謝しています。数字で示すならば、卒業生の総数は17万人を超えています。仙台周辺に6万5千人のTG生がおられます。善き働き人として評価され、まさに私たちのスクールモットーである、「地の塩、世の光」として生きておられます。あるランキング誌によると、一部上場企業人事担当者は、東北学院大卒業生を、「行動力」ランキングの4位に選び、対人能力についても高い評価を与えてくれています。大学にある私たちとして、大変うれしいことです。皆さんはそのように評価される群れの一員にぜひ加わってください。
 皆さんのほとんどは、在学中の春、大震災を経験されたことと思います。親しい方やお家に被害を経験された方もあるでしょう。学院は自ら被害を受けましたが、被災された多くの人々のために、ボランティアを組織し、皆さんの中に参加された方があるかと思いますが、多くの学生たちを送り出してきました。そして彼らは今も復興のために働いています。
 皆さんも、3年半をへてなお復興途上にある震災後の社会と向き合い、直接間接に復興のために生きゆかれるわけです。そして皆さんは、今も傷みと苦しみが癒えない人々の、その傷みを共有できる方々です。皆さんの働き場所は少なくないと思います。
 世の中は経済状況がよくなり、よい方向に向かっているようにも言われます。けれど、生活が豊かになった、という実感をもつ人は多くはありません。逆に景気上昇のしわ寄せを受けて、貧困層が拡大しています。ふるさとに帰れない福島県民がたくさんいます。宮城岩手にも、不自由な仮設住宅生活を強いられ、希望を閉ざされたかのように感じている方々が数多くいます。東日本だけのこと、経済上の問題ではなく、広島には大きな土砂災害がおこり、御嶽山では水蒸気爆発で多数の人命が失われました。不安と危機はいつ起こっても不思議ではありません。
 このような状況は、世界の至る所で、様々に別な形で見いだされるでしょう。しかしそれらにひるむ必要はありません。「知る力と、見抜く力を身につけ」よ、と聖書は教えます。うわべの華やかさに惑わされず、自由で差別のない、人と人との本当の平和な関係が実現するように、働きかけてください。その力と知恵とを東北学院で学んだ皆さんは確実に身につけています。皆さんの働きを、仙台は、東日本は、そして世界は待っているのです。
 決して平穏ではない社会の中へ、皆さんが神に守られていることを覚えて踏み出してください。東北学院はいつまでも皆さんを忘れません。そして、東北学院の真の創立者である神が、いつも皆さんと共にいてくださることをも私たちは祈り、確信しています。
 あらためて東北学院の「建学の精神」を確認させてください。

 「東北学院の三校祖、押川方義、W.E.ホーイ、D.B.シュネーダーは、東北学院の建学の精神を、宗教改革の「福音主義キリスト教」の信仰に基づく「個人の尊厳の重視と人格の完成」の教育にあるとした。
 その教育は、聖書の示す神に対する畏敬の念とイエス・キリストにならう隣人への愛の精神を培い、文化の発展と福祉に貢献する人材の育成を目指すものである。」

 ご卒業本当におめでとうございます。


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