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希少価値の高い史資料を紹介 『東北学院大学アジア流域文化研究所公開講演会「記憶と記録」―資料からみた近代日本と東アジア』開催

2014年10月02日

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 東北学院大学アジア流域文化研究所公開講演会「記憶と記録」―史資料からみた近代日本と東アジアが、9月27日、土樋キャンパス631教室で開催されました。
141002-1_02.jpg 開会にあたって、本学の歴史学科の小沼孝博准教授は「近代日本の歩みというものを考えたとき、日本列島の中だけで、日本の歴史を構想するのは不可能です。今回の講演会では、近代日本と東アジアとの関係を見なおす意味も込めて、日本と近隣諸国との関係をメインのテーマに据えてみました。そして、現在から過去をいかに評価するのかという歴史認識の問題ではなく、実際に当時の文書史料や口述資料の中ではなにが語られているのか、そこからなにを読み取ることができるのかという、より根本的な問題に着目してみようと考えています」と挨拶。
141002-1_03.jpg 第一部では「押川家文書の世界―押川家と東アジア」と題し、歴史学科の河西晃祐教授が登壇。本学の三校祖の一人である押川方義の孫にあたる昌一氏のもとに残された貴重な資料(2004年11月に本学へ寄贈)や、新たに公開された外務省文書から時代の背景を紐解きながら、1896年4月に朝鮮に開設した本学の姉妹校というべき京城学堂の歴史的意義を解説しました。
141002-1_05.jpg 続く第二部では、「朝鮮総督時代における鉱物資源政策の実情―未公開録音記録資料からの考察」と題し、仁川大学学術研究教授で、学習院大学東洋文化研究所客員研究員である李正勲氏が登壇。現在学習院大学東洋文化研究所に所蔵・管理されている朝鮮総督府(1910-1945年)関係者の連続講演の録音記録を紹介した。141002-1_07.jpgこれは日本の植民地経営に直接携わった人々の貴重な証言記録であり、実際に録音を聞きながら、諸政策の決定・実行過程など、当時の実情をわかりやすく解説しました。
 終了後に聴講者の女性は「とても興味深い内容で、もっと詳しく知ってみたいという気持ちになりました」と話すなど、今回の公開講演会が成功に終わったことを物語っています。

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