東北学院大学

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世界が期待するILCの理解を深めたシンポジウム「ILCの意義と地域まちづくりへの課題」開催

2014年10月28日

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 10月22日、多賀城キャンパス工学基礎教育センターにおいて、東北学院大学工学会主催の「ILCの意義と地域まちづくりへの課題」と題したシンポジウムが開催されました。
 ILC(国際リニアコライダー/International Linear Collider)とは、全長約30kmの直線状の加速器をつくり、電子と陽電子を超高エネルギーで正面衝突させ、宇宙の成り立ちや質量の起源などを解明することを目的とした素粒子衝突実験装置のこと。世界中が注目している大規模なこの施設が、岩手県の北上山地から宮城県の気仙沼市におよぶ地域が建設候補地として決定しています。
141028-1_04.jpg 東北地方で唯一の総合私立大学である本学は、平成26年1月よりILC推進協議会に入会しており、ILCの建設や実験に必要とされる理系研究者、そしてILCによる東北地方の地域まちづくりを先導できる文系研究者が多数在籍していることから、このたびのシンポジウムを開催するに至りました。
141028-1_05.jpg 飛田善雄工学部教授の司会のもとスタートしたシンポジウムでは、冒頭、「ILC施設ができることで、まちづくり、観光、地域の新しい産業・技術のイノベーションにおけるセンターになれるなど、非常に大きな可能性を秘めています。今回のシンポジウムでは、お集まりの皆さんにこのILCプロジェクトへの理解と興味を持っていただきたい」と中沢正利工学部長が挨拶しました。
141028-1_06.jpg 続いて本学におけるILCの主幹である工学部電子工学科の星善元教授が趣旨説明に立ち、ゴーギャンの絵を例えに『我々は何処から来て、何処へ行くのか』と宇宙創成の謎を解き明かすための取り組みであること、数年から10数年という将来的な関わりを念頭におき、学生諸君にも積極的に学んでほしい、と語りました。
 続いて行われた講演会では、東北大学理学部・佐貫智行准教授がILCの紹介や社会との関わりなどについて、東北大学・小貫勅子キャンパスデザイナーがILCの整備計画やまちづくりのヒントなどについて、そして東北大学吉岡正和客員教授より東北における加速器科学をベースとしたビジョンなど、ILCに関するさまざまな話題提供がありました。

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 講演後は参加者からの質疑応答が行われ、最後に「今回のシンポジウムは工学会主催でしたから工学系の話が多かったのですが、本学にはまちづくり、地域づくり、国際交流等の面で貢献できる文系学部の先生もおられますので、次回のシンポジウムではこれらの先生たちを招いていろいろな考えをお聞きしたいと思っています」と星善元教授が総括しました。
 宇宙の創成という人類が長年抱いてきた謎の解明に挑めることや医療・生命科学からエネルギーといった幅広い分野への応用が考えられるなど、ILCの実現に世界中の研究者が大きな期待を寄せています。本学では、総合大学としてさまざまな角度からILCに関する可能性を引き続き追求していきます。

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