東北学院大学

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2015年度はチェンバロが主役 「時代の音」第2回レクチャーコンサート開催

2016年01月15日

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 音楽への招待「時代の音」の2015年度シリーズ第3回公演(全3回)が、来る2月11日(木・祝)に開催されます。
 楽器や曲の時代背景、知る人ぞ知る秘話など、演奏と解説をミックスさせたレクチャーコンサートとして、これまでたくさんの聴衆を魅了してきた時代の音。2015年度は、ドイツをはじめとしたヨーロッパで研鑽を積んできたチェンバリストの桒形(くわがた)亜樹子氏を講師に招き、「チェンバロを究める」をテーマにチェンバロの変遷を学んでいます。 
 第2回公演は、「伴奏、室内楽のチェンバロ~通奏低音の誕生とその脱皮~」と題し、昨年11月15日に泉キャンパス礼拝堂において開催されました。ゲストには、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の櫻井茂氏(上野学園大学)と田中孝子氏をお招きしました。
 コンサートの開演前に、今井奈緒子教養学部教授は「通奏低音というのは、鍵盤楽器や独奏楽器である様々な楽器の一つの演奏パートです。今日は、チェンバロ奏者が通奏低音と称してどのようなことを行っているか、が明らかとなります。」とあいさつしました。 
 コンサートは、16世紀の作曲家オルティスの作品の演奏からスタート。レクチャーの冒頭で桒形氏は、「今日は仙台にゆかりのある二人のゲストを迎え、また、楽器も仙台の方が所有するものを使用するなど、地元の方にお手伝いいただき、嬉しいです。」と語りました。
 レクチャーでは、18世紀までの演奏形態である「通奏低音」がどのようなもので、どのように変遷していったかが説明されました。「ガンバのソロを聞きながら、和音や旋律を弾くような伴奏を行うのが通奏低音です。この演奏方法は16世紀半ばからだんだん発展していき、18世紀の後半までの間流行しました。バロック時代にあたるこの時代は、別名通奏低音の時代とも呼ばれます。ピアノの楽譜がすべて作曲家によって書かれている、つまり演奏すべき音が記載されているのに対し、バロック時代は、演奏家自身が楽譜に書かれた主旋律の上にソロ楽器の演奏を聴きながら和音を重ねるという演奏方法がはやりました。なお、アレンジや和音の重ね方にはルールがあり、教科書も出版されています。」
160105-1_05.jpg コンサート後半は、今回ゲストが演奏する弦楽器ヴィオラ・ダ・ガンバの特徴も紹介されました。田中氏は、「容貌はチェロと似ていますが、まったく異なる種類の楽器です。弓の持ち手もチェロとは逆で、手の甲が下に向く持ち方です。また、低音を含む7本の弦を持ち、広い音域を演奏できるという特長があります。」と説明しました。
 礼拝堂内に広がるのびやかなヴィオラ・ダ・ガンバの音色とチェンバロの和音に、来場者の方々も聴き入っていました。
 今年度最終回となる第3回レクチャーコンサートは、2月11日(木・祝)に土樋キャンパス礼拝堂にて開催します。「21世紀のチェンバロとその未来~明日への可能性」をテーマに、ゲストにヴァイオリニストの伊藤亜美(旧姓:尾池)氏と作曲家で宮城教育大学教授の吉川和夫氏(トーク出演)をお招きし、現代音楽においてもチェンバロが活躍する様子をお楽しみいただきます。
 詳しくは本学ホームページをご覧ください。

時代の音ホームページはこちら

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