東北学院大学

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復活と創造 東北の地域力⑦「歴史から捉えた災害列島」開催

2015年07月23日

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 本学と河北新報社が連携し実施しているシリーズ企画「復活と創造 東北の地域力⑦」が、7月19日に多賀城市文化センターで開催されました。
150723-1_02.jpg 「歴史から捉えた災害列島」と題した今回のシンポジウム。開会にあたって登壇した松本宣郎学長は、本学にとって重要な使命のひとつである東日本大震災からの復興に向かって長い道のりを歩んでいること、地域と協働する「地(知)の拠点整備事業」などについてあいさつの中でふれました。また、「今回のシンポジウムは、目先を見据えただけの復興ではなく、歴史を振り返ることで、これからの復興をどう役立てなければならないかという視点で考えていきます。これからのひとときが、皆さんにとって実りある時間になることを願っています」と述べました。150723-1_03.jpg続いて、菊地健次郎多賀城市長は、東日本大震災直後に本学多賀城キャンパス内の礼拝堂で市民が手厚いサポートを受けたことに感謝の意を表しながら「千年に一度と言われる大震災のさまざまな情報を集めることで、後世に教訓として伝えていくことが私たちの役目です。そこで現在、多賀城市に国立の地震津波ミュージアムを誘致できないかと構想しています。本日のシンポジウムがそのための糧となることを希望しています」と語りました。
150723-1_04.jpg 歴史学者で、東京大学名誉教授の保立道久氏を招いての基調講演「日本の国の形と地震史・火山史」では、過去にどういう地震や噴火があり、その後どういうことが予想されるのか、今後は地震学と火山学などの研究者が協働しながら探っていく必要があること、そして、約700年の周期で発生してきた地震のスーパーサイクルや神話の時代から日本で起こってきた地震災害を振り返り、そこで得た教訓を次の世代に伝えていかなければならないことなどについて述べました。

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 続いて行われたパネル討論「古代多賀城・仙台平野における震災と復興」では、本学文学部の七海雅人教授をコーディネーターに、基調講演に続いて保立道久氏、多賀城市教育委員会事務局文化財課の千葉孝弥参事、本学教養学部の松本秀明教授、本学文学部の佐川正敏教授が、過去に起きた地震や復興活動に関する専門の研究について、報告や意見交換が交わされました。最後はフロアからの質問にパネリストが答えるなど、会場が一体となって災害列島日本について考えるシンポジウムとなりました。
 今回開催したシンポジウムの様子は、8月16日の河北新報紙面及び本学が発刊している『震災学』に掲載されます。

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