東北学院大学

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【文学研究科・アジア流域文化研究所】武漢大学で国際シンポジウムを共同開催しました

2018年09月26日

 本学大学院文学研究科とアジア流域文化研究所は、9月15日~18日の4日間、中国の武漢大学歴史学院・国学院、カリフォルニア大学ロサンゼルス校コーヘン考古研究所とともに、武漢大学珞珈山荘を主会場に国際学術シンポジウム「楚文化与長江中流域早期開発国際学術研討会」を共同開催しました。このシンポジウムは、楚文化についての初めての国際シンポジウムが開催された1988年からちょうど30年が経過したのを記念して、武漢大学の徐少華教授、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のローター・ファルケンハウゼン教授、本学歴史学科の谷口満教授が発起人となって開催されたものです。

180927-1_1.jpg 国際の名にふさわしくフランス、ドイツ、アメリカから14名、台湾から6名の参加があり、日本からは藤田勝久(愛媛大学名誉教授)、土口史記(岡山大学)、竹田健二(島根大学)、湯浅邦弘(大阪大学)、名和敏光(山梨県立大学)、平㔟隆郎、小寺敦、海老根量介(以上、東京大学)、柿沼陽平(帝京大学)、太田麻衣子(国士舘大学)、廣瀬薫雄(中国復旦大学)の諸先生及び本学歴史学科の佐川正敏、政岡伸洋、下倉渉、谷口満の4教授が参加しました。

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 日程は前半2日間の研究会と後半2日間の合同現地調査に分かれ、珞珈山荘会議室での研究会は参加者のほぼ全員に当たる85名の研究者全てが全体会議、分科会議のいずれかで口頭報告するという極めて充実したもので、歴史や考古、民俗、宗教、科学、芸術などの分野で斬新な意見発表と活発な討議が展開されました。中国古代の長江中流域に展開した楚文化とそれに関する諸問題の全てについて、最新の研究成果が集約的に公表されたといっても過言ではありません。

180927-1_4.jpg 合同現地調査は武漢→京山→随州→武漢の行程で実施され、京山県博物館、蘇家壠遺跡、曾侯乙墓、随州市博物館で墓葬や青銅器製作遺跡などを現地調査し、出土した青銅器や陶器などの実物を直接手に取りその資料価値を議論しました。高崇文北京大学教授や中国銭幣博物館の黄錫全研究員といった第一級の専門家にその都度意見を提示していただき、学術的雰囲気に満ち満ちた現地調査となりました。随州市博物館では、古代のそれを復原した青銅楽器や木製楽器による楽舞が上演され、往時の音楽を偲ぶことができたのも大きな収穫です。

 4日間の活動はほぼスケジュール通りに進行し、18日夜武漢大学に帰着して散会となりました。

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