【総合人文学科主催ファカルティ・フォーラム】古典が私たちに語るもの ―古代インド『リグヴェーダ』讃歌に見る人類と死の起源―
2013年10月03日
古典が私たちに語るもの
―古代インド『リグヴェーダ』讃歌に見る人類と死の起源―
総合人文学科主催ファカルティ・フォーラム
『リグヴェーダ』は紀元前1200 年頃編集固定され、今日に伝わる古代インドの讃歌集である。一群の創造讃歌の中に「子孫の為に、他方また、死の為に、彼女はマールターンダを連れ戻した」と結ばれる讃歌があり、解釈を許さなかった。しかし、「自由の女神」の流産の結果、人類の始祖マールターンダ(「死んだ卵から生まれた者」)が生じたとする神話の存在から、人の死とそれによる完結とを「論証」する試みであったことが理解される。この神話は後の散文文献から回収され、イラン側の資料にも跡づけられる。さらに、プラトーンの『饗宴』に見られる恋愛起源説など、広い神話世界への連なりが示唆される。厳密な直訳に基づき、往時の真剣な議論の跡に触れたい。
■ 日時 : 平成25年11月2日(土) 14:40~16:30
■ 会場 : 土樋キャンパス 5号館2階 522教室
LECTURER 講 師
東北大学名誉教授 後藤 敏文(ごとう としふみ) 氏
【講師略歴】
1948年3月東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、京都大学大学院博士課程単位取得退学(梵語学梵文学)、エルランゲン大学Dr.phil.。
フライブルク大学非常勤講師(インド学)、岩手大学助教授(比較言語学)、大阪大学教授(インド哲学)等を歴任後、東北大学大学院文学研究科教授(インド学仏教史)。現在東北大学名誉教授。この間、ウィーン大学、フランクフルト大学でも講師を務める。
日本歴史言語学会会長,日本印度学仏教学会評議員,印度学宗教学会常任理事,インド思想史学会理事,Indogermanische Gesellschaft(印欧語学会)顧問等。
主要著書は、Die “I. Präsensklasse” im Vedischen. Untersuchung der vollstufigen thematischen Wurzelpräsentia. Wien (Österreichische Akademie der Wissenschaften) 1987, 第2版 1996、その他多数。
○募集人数 | 100名 |
○対 象 | どなたでも受講できます |
○申込方法 | 直接会場にお越しください |
○受 講 料 | 無料 |
○主 催 | 東北学院大学 文学部総合人文学科 |
○問合せ先 |
東北学院大学 研究機関事務課 TEL 022‑264‑6401 FAX 022‑264‑6530 |