東北学院大学

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2017年03月14日

イギリスにおける19世紀ステンドグラスの学術調査を実施

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リンカーン大聖堂   ピーターバラ大聖堂


 平成29年2月22日から3月5日にかけて、本学教員の鐸木道剛教授(キリスト教文化研究所所長)、吉田新講師(同研究所主事)、本学職員の内海睦夫広報部長、そしてステンドグラスの制作、修復を手掛ける平山健雄氏(光ステンド工房主宰)の四名は、イギリスにおいて本学のステンドグラスに関する学術調査を行った。  

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リンカーン大学Jim Cheshire准教授殿との視察   リンカーン大聖堂内ステンドグラス


 イギリスにおける現地調査では、本学のステンドグラスを制作したヒートン・バトラー&バイン工房(以下、HBB工房)の位置づけを確認し、19世紀ステンドグラスの状況を知るため、リンカーン大聖堂、ピーターバラ大聖堂、イーリー大聖堂、ロンドンの複数の教会などの教会建築のみならず、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学の各カレッジに備えられたステンドグラスを含む広範囲に及ぶ調査を実施した。とりわけ、オックスフォード大学ハリス・マンチェスター・カレッジの図書館が所有するステンドグラスは、本学のステンドグラスと同じ工房による同時代の作品で、多くの類似点を見出すことができた。また、現在の19世紀ステンドグラスの研究の中心的役割を果たしているリンカーン大学のJim Cheshire准教授、イーリー博物館のJasmine Allen学芸員から現在の研究状況について情報提供を受けた。リンカーン大聖堂ではCheshire氏の案内のもと、ステンドグラスの修復現場を見学することができたのは大きな収穫である。

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リンカーン大学Jim Cheshire准教授との視察   リンカーン大聖堂ステンドグラス修復工房視察


 イギリスでの調査の後、鐸木氏はブダペストのフェレンツ・ホップ東洋美術館主催のシンポジウム(Japonisme in Global and Local Context)に参加し、中世復興としてのジャポニズム、そして19世紀中世復興の意味について、各国の研究者と議論した。中世復興について西欧(アーツ・アンド・クラフツ)とロシア(ウラジミル・マトヴェイ)、そして日本(柳宗悦)では意図するところに大きな違いがあるような予測が得られた。また、吉田氏はドイツ・ダルムシュタット(ヘッセン州州立博物館他)において、HBB工房のステンドグラスの図柄の元として利用されたハインリヒ・ホフマンの画業、及び中世ステンドグラスについての研究状況を調査した。

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ピーターバラ大聖堂   イーリー大聖堂
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イーリー大聖堂内のステンドグラス   イーリー博物館のJasmine Allen学芸員の解説
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イーリー博物館のJasmine Allen学芸員の解説   オックスフォード大学ハリス・マンチェスター・
カレッジ図書館内のステンドグラス

      
 短期間であったが、今回の学術調査で本学のステンドグラスに関する重要な情報を多く収集することでき、今後の研究への足掛かりを得ることができた。
 詳しい調査報告は、後日、改めてHPや本ブランディング事業の通信などで紹介する予定である。

【告知】
    東北学院のステンドグラス 19世紀の中世復興と物質文化

  3月18日(土)、13:00~17:30 [申込不要 入場無料]
  場所 東北学院大学土樋キャンパス 8号館5階 押川記念ホール

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