東北学院大学

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【2018年度東北学院大学研究ブランディング事業国際シンポジウム】ジョン・ラファージの中世主義-ジャポニスムとステンドグラス復興-(2/23開催)

2019年02月05日

 2月23日(土)、東北学院大学研究ブランディング事業「東北における神学・人文学の研究拠点の整備事業」主催のシンポジウム 『ジョン・ラファージの中世主義-ジャポニスムとステンドグラス復興-』を開催します。入場無料・申込不要ですので、ぜひご参加ください。

日時:2019年2月23日(土)13:30~17:00
場所:土樋キャンパス ホーイ記念館ホール

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【趣旨説明】
「ステンドグラス 地上の天国 」
鐸木 道剛(本学教授)190205-7_3.jpg
ステンドグラスの芸術は、ロマネスク時代の闇の芸術に対して、ゴシック時代の光の芸術である。その根拠は、空想でなく事実としての受肉である。神であり、同時に人である仲介者イエスによって物質世界は永遠と繋がる。そのままでは空しい物質世界の美はこれによって根拠づけられるのであり、地上における天国が成立する。これがキリスト教世界における芸術の成立である。
〈講師略歴〉
1950年大阪生まれ、東京大学文学部卒。ユーゴスラビア政府給付留学生としてベオグラード大学に留学。岡山大学教授を経て、2016年より現職。専門は美術史、とくにビザンティンとロシアと日本のイコン。

【パネリスト】
"The Family of John La Farge, its Connections with Boston Brahmin Society and Place in American History”190205-7_4.jpg
ベアトリス・ラファージ(フランクフルト大学研究員)
In addition to John La Farge there were several others connected to him or his extended family by blood or marriage who were artists or visited Japan. My talk attempts to show the relationship between these various families, focussing on figures who are less well-known than  Matthew Calbraith Perry, Henry Adams and William Sturgis Bigelow.
〈講師略歴〉
ジョン・ラファージの曾孫。1947年生。1990年フランクフルト大学博士(スカンジナビア文学)。1992年よりフランクフルト大学スカンジナビア研究所研究員。現在刊行中のフランクフルト版『エッダ』全集(全7巻)の共著者。

"Windows to the East: The Japanese Influence on La Farge ‘s Stained Glass”190205-7_5.jpg
ヘンリー・アダムス(ケース・ウェスタン・リザーブ大学教授)
One of the first western artists to discover Japanese prints, John La Farge took Japanese ideas and used them to rethink the design principles of western art.  A remarkable instance of this is his work in stained glass, where borrowing from the Japanese enabled him to completely transform and reinvent the medium.
〈講師略歴〉
ハーバード大学卒、イェール大学で博士号取得。クリーヴランド美術館学芸員を経て現職。主著はThomas Hart Benton: An American Original (1989)。他トマス・エイキンズやアンドリュー・ワイエス、ジャクソン・ポロックなどアメリカ美術について400以上の論文がある。

「ラファージ、ティファニーと日本のステンドグラス」190205-7_6.jpg
岡部 昌幸(帝京大学教授、群馬県立近代美術館館長)
1850-60年代、日米はそれぞれ日本開国と南北戦争をへて、相互に孤立主義から異文化を積極的に導入する文化交流の時代に転換したといえよう。両国の関係の特殊性は、美術においても強調されるべき重要性を持っている。ジョン・ラファージを中心とするアメリカのジャポニスム、唯美主義運動と、日本美術院を軸とした日本の近代美術の発展史は、鏡の反映のようにシンクロしていた。ラファージはジャポニスムの発見者の一人で日本美を唯美的に受容した。ラファージの芸術に内在する日本美はさらに、アメリカに渡った東京美術学校卒業生の小川三知(おがわ さんち、1867ー 1928)が独自に咀嚼し、日本のステンドグラスとして大きく花開いた。ステンドグラスを通じて、日米関係を探ってみたい。
〈講師略歴〉
1957年横浜生まれ。早稲田大学、同大学院で学ぶ。現在、帝京大学文学部史教授。群馬県立近代美術館館長。西洋近代および日本近代美術を専攻。特に世紀転換期のアメリカ美術、装飾美術、ジャポニスムを研究。主著に『JAPAN ロバート・ブルーム画集』(芸術新聞社)、『渡辺省亭:花鳥画の孤高なる輝き』(東京美術)等。「アール・ヌーヴォーの世界 ジャポニスム・日本美術への心酔ルイス・C・ティファニー庭園美術館」展等100以上の展覧会の企画監修を行う。

「ジョン・ラファージと日本美術」190205-7_7.jpg
井上  瞳(愛知学院大学准教授)
ラファージの作品や思想には、日本美術や東洋思想の影響を見ることができる。ラファージが実際に収集した日本美術コレクションにはどのようなものがあったのだろうか。また、ラファージが来日時に出会った日本画家や、フェノロサ、ビゲロー、岡倉覚三から受けた仏教をはじめとする東洋思想はどのようなものがあったのだろうか。ラファージの作品に即して、ジャポニスムの枠に留まらない日本美術や東洋思想の影響を明らかにする。
〈講師略歴〉
東京藝術大学美術学部芸術学科卒、ハーバード大学エクステンションスクール博物館学コース終了。1998年より名古屋ボストン美術館学芸員、2016年より現職。「ジョン・ラファージにおける日本」『人間文化』第33号、愛知学院大学人間文化研究所、2018年。