東北学院大学

法学部

陶久ゼミ山形蔵王温泉訪問

2018年10月24日

陶久ゼミで10月6日(土)に行われた、山形蔵王温泉訪問に関する感想を、参加した3名が寄せてくれました。

(1年生A.I.)
 10月6日、私たちは山形蔵王温泉にてフィールドワークを行った。理由は班のテーマである「温泉と刺青との関係」を調べるためである。話を伺ったのはつるやホテルだけであったが、このあたりには番頭のいない共同浴場がいくつかあった。
 事前のインターネット調査の結論として、刺青はヤクザをイメージさせるものであり、集客に影響を及ぼすとしていた。つまり、刺青のお客さんの入浴を禁止するのは、自分たちの利益のためだと思っていた。
 しかし、実際に話を伺ってみると調査との微妙な想いの違いがあった。確かに刺青を入れたお客さんの立ち入りを禁止する掲示をしているが、それは一般のお客さんがリラックスしてほしいという想いからであった。現状として、昔に比べ刺青に対するイメージは緩和の傾向にあるという。その要因としてグローバル化による外国人利用者の増加が挙げられる。日本と違い外国では刺青をしている人が多く存在する。それはお洒落や宗教的意味を持つものであり、彼らにとって単に暴力団をイメージさせるものではないからだ。加えて刺青も小型のものが主流となりつつある今、日本人でも刺青を施す人が増えている。よってこの傾向はさらに顕著に表れる可能性があるという。

(1年生K.W,)
私たちのグループは今回、刺青をつけた人がなぜ温泉に入れないのかを調べるために、山形蔵王の「つるや」さんという温泉ホテルを訪問しました。ホテルに到着してすぐ気づいたのは、入り口に「刺青禁止」と張り紙があったことです(英語でも書かれています)。聞いていた話と違うぞ?と最初は感じましたが、「つるや」さんのご主人の話を聞いているうちに段々事情が分かってきました。「刺青禁止」は条例で定めているわけでもないし、ご主人もそういうことはしたくないとおっしゃるのです。自分たちがネットで調べた限り、もっと厳しく刺青者入浴禁止をうたっているのだろうと想像していただけに、できればそういう風潮を無くしたいというご主人の言葉に驚きを隠せませんでした。また、刺青を入れている方が気を使って大浴場に入っているというお話も、意外でした。
 私は今回のことから、ネットで調べたことと現実(=少なくとも一つのホテルでの現実)には大きなギャップがあり、ネット情報だけを鵜呑みにすることが危険であることを実感しました。現実を知らないままに、刺青をしている人を色眼鏡で見たり、刺青を入れている人でも入浴歓迎という姿勢をとっているホテル人のことを無視していたかもしれないのです。
 ともあれ私自身は、2020年に向けてグローバル化が進む中、刺青を入れている人でも気兼ねなく温泉に入れる日本を作るべきだと感じたことでした。

(1年生R.I.)
今回、実際に山形蔵王温泉の「つるやホテル」を訪ね、支配人にインタビューする機会をいただきました。今まで他の授業で行ってきた研究発表では、インターネットや本から得られる情報に頼りっきりであったため、直接現地に赴き情報収集を行うのは、とても新鮮でした。
 私たちのグループは、温泉施設がなぜ刺青をしている人の入場を断っているのかについて、いくつかの質問を事前に用意していました。ところが、先日のインタビューではネット情報とは違う話が支配人の口から次々と出てきました。例えば、背中に大きな刺青を入れているような方は、一般客に配慮して自ら貸し切り風呂を予約してくださることが多いとのこと。そのためか、今まで刺青に関するクレームは来たことがないとのこと。このように生きた情報を得ることができたのは、実に貴重な体験でした。今後は、取材形式での情報収集を積極的に取り入れると同時に、大学外での社会勉強を積み重ねていきたいと思います。

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