2022年1月 年頭所感「年頭にあたって」 東北学院大学 学長 大西晴樹

岩を土台として建てる

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院長・学長 大西晴樹

 

新年あけましておめでとうございます。仙台に赴任して3回目の新年を迎えました。今年は、9月末に五橋新キャンパスが竣工となり、来年4月の都心型ワンキャンパスの供用開始に向けて最後の準備の年となります。私の3回目の新年を3段飛びに譬えるなら、ホップ、ステップ、ジャンプのジャンプ、文字通り飛躍の年であり、大いに飛距離を伸ばしたいところでありますが、他方で、日増しに建ち上がる五橋キャンパスの校舎を目の当たりにして、聖書の言葉から次のような抱負をもって新しい年を迎えました。
「そこで、わたしのこれらの言葉を聞いて行う者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家を襲っても、倒れなかった。岩を土台としていたからである」(マタイによる福音書7章24、25節)
この言葉は、イエスが山上の説教を終えて、砂の上に家を建てる人と対比して語られた言葉であります。自然災害や地震による被害が容易に予想される近年では、ハザードマップが重要な役割を果たし、私たちは、出来るだけ堅固な地盤を選んでその上に家を建てようとします。実際、新キャンパスは五橋や清水小路という地名が水に由来する名前なので気になり、工事関係者の方に地盤はどうでしたかと尋ねたところ、盤石であるとの返事でした。この聖書の言葉は地盤や建築構造物の強度のことだけではなく、五橋新キャンパスに東北学院大学を建てようとする私たち教職員に対する戒めとして語られているのではないでしょうか。たとえ、新キャンパスをオープンし新校舎を使おうとも、大学が旧態依然とした組織でもって改革を怠り、学生や時代や地域社会のニーズに応えようとしなかったら、その建物は砂の上に建てられた家に等しく、少子化の時代に大学が受ける試練に堪えられずに倒れるということを予言しているのだと思います。それゆえ、新キャンパスに私たちがどのような土台を据えようとしているのか問われる年が、2022年なのです。

私は着任以来、五橋新キャンパスの供用に向けて、教学改革を促してきました。1年目はその概要を示し、2年目と3年目は新しい教学組織づくりに注力してきました。ここまで進んでこられたのは、多くの教職員の理解と協力の賜物と感謝しています。しかし、たとえ新しい教学組織を作ろうとも、それが岩を土台として建てられていなければ砂の上に建てられたも同然です。最初の数年間は目新しさも手伝って脚光を浴びるでしょうが、その輝きは長持ちしないのではないでしょうか。これは伝統を誇る既存学部とて同様であり、岩を土台として東北学院大学を建てることが求められているのです。

では、岩を土台として東北学院大学を建てるとはどのようなことでしょうか。それは聖書が教えているように、建学の精神であるキリスト教の聖書の言葉に耳を傾け、学修者である学生を大切にし、学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)を明確に示し、それに向かって学生が学んでいることの経過や成果が分かるように、学びの質保証を可視化していくことではないでしょうか。学生を大切にする教育。それは学生を甘やかすことではありません。授業やゼミを通じて学生に知的刺激を与え、学問の面白さを上手に教えることです。学生が学びを深め、学問に興味を見いだすと、自ずと教育と教員が進めている研究とが繋がります。そこに大学における教育と研究の醍醐味があるのです。そのための教職員の努力は学生に励ましを与え、東北学院大学における学修成果は必ずや卒業後に実を結び、結果的に岩を土台として東北学院大学を建てることになるのです。

本学は、コロナ禍により昨年から学生のPC必携を実現しました。教育におけるDXとして、今年からは一部の学部においてe-portfolioを導入し、学生が学んでいることの経過や成果が分かるように学びの質保証を可視化していきます。そしてe-portfolioは、新設される学修支援課の下に全学に広げていく所存です。また、既存学部においても教学改革を進め、少人数によるゼミの強化や調査実習の機会を増やし、出来るだけ学生に学びの成果が実感できるような学修機会を増やしていかなければ、新しい教学組織に人気を奪われてしまいます。そうならないためにいっそうの教学改革を進めていく所存です。

2022年が皆さまにとってよき年となりますようお祈りし、年頭の言葉とさせていただきます。

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