2022年03月07日
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に抗議します。軍事侵攻によって、他国の主権を踏みにじり、領土を侵犯する行為は、国際法違反であり、直ちに停戦とロシア軍の撤退を求めます。また、高まる戦火によって、多くの市民が家族の絆や生命や財産を奪われ、困窮した生活を余儀なくされている姿を見ると心が痛みます。
特に、核兵器使用の「特別態勢」への移行を公言し、ザポリージャ原子力発電所を攻撃し、火災を発生させたロシア軍の非道に対しては、東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質漏れ事故により、発電所周辺の地域住民の生活が奪われてきたことの苦しみを知る学校として、強く抗議します。実際、11年前の放射性物質漏れ事故により、居住地を変えざるをえなかった学生、仕事を変えざるをえなかった卒業生が多くおり、今日でもその苦しみは消えていません。ヨーロッパ最大規模の原子力発電所から放射性物質が漏れ出すなら、「世界終末時計」の針は一挙に進み、「人類の滅亡」を招くでしょう。
東北学院は、キリスト教による人格教育を建学の精神とし、「LIFE LIGHT LOVE」をスクールモットーとして掲げてきました。LIFEとは、生命や人格の尊厳であり、LIGHTとは、光によって闇の行為を制することであり、LOVEとは、憎悪や差別や分断ではなく、人間が互いに愛し合うことです。一刻も早く、停戦や和平が実現するように、外交による解決がなされ、連帯による支援の輪が広がることを希求します。
2022年3月7日
東日本大震災から11年目を迎えて
東北学院理事長 原田 善教
東北学院院長・東北学院大学学長 大西 晴樹