世界中が新型コロナウイルスによる社会災害に覆われ、同時に土砂災害や火山噴火などの自然災害が打ち続くいま、東日本大震災被災地から発信する意義を問う。災害報道や災害伝承、災害関連死、火山研究と地域との連携、震災文学など多岐にわたるテーマで構成。東北大学災害科学国際研究所所長・今村文彦のほか、いとうせいこう、梶原さい子、玄侑宗久のインタビューも収録。
発行/東北学院大学
発売/有限会社荒蝦夷
発行日/2022年3月25日
体裁/A5判・296頁
価格/2,000円+税10%
ISBN978-4-904863-77-0 C0036
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【 目次紹介 】
[巻頭言]節目/坂本泰伸
【第1章 〈震災10年〉を超えて】
震災10年・コロナ禍・トンガ津波 自然災害と社会災害に如何に対応するか/今村文彦
災害関連死とは何か 次の災害による死を防ぐために/山川徹×宇都彰浩 司会◎古関良行
〈震災障害者〉をめぐって 阪神・淡路大震災 震災障害者支援のあゆみから/木村信行
[座談会]震災報道のゆくえ/高橋鉄男×所澤新一郎×山中茂樹
〈スローガンの瓦礫〉から立ち上がる 被災地の放送人が11年経って考えること/杉尾宗紀
テレビの災害取材映像を減災に生かす 「激震の記録1995 取材映像アーカイブ」公開の〈効果〉/木戸崇之
伝承活動から見た〈節目〉 震災10年の現実と希望 コロナ禍の経験を足掛かりとして/武田真一
〈物語〉をつむぐ震災伝承館 災害伝承に専門性と制度整備を/山内宏泰
自治体の災害記録誌は何を語るのか 岩手県山田町・大槌町の震災記録誌を通じて/佐藤孝雄
郷土史から見る震災10年 当事者として、研究者として/菅野正道
東北の活火山と防災 問われる地域の減災協働/岡田純
【第2章 地域と災害】
未来の被災地への旅 熱海土砂災害被災地から南海トラフ地震の痕跡をたどる/山川徹
宮城県丸森町 地層が語る災害と復興 台風19号豪雨の土砂災害復興現場を訪ねて/堀米薫
北海道胆振東部地震から3年半 厚真町に通い続けてⅢ/定池祐季
「二本松農園」の10年 東日本大震災・福島第一原発事故後の「新しい流通」の開拓/齊藤康則
▼〈シンポジウム「復活と創造 東北の地域力」〉スポーツと東北の地域力
[基調講演]スポーツによる「まちづくり」政策の展開/原口大志
[事例報告とパネル討論]コーディネーター・黒須憲
地域×ラグビー/佐伯悠
新しいプロスポーツがもたらす地域創生/粟井俊介
〈学生コーチ〉と硬式野球部の躍進/渡邊徹
▼本間照雄最終講義 「関わり合い向き合う」ことが拓く新たな地平
教育・研究・地域連携を実践した5年間/阿部重樹
「関わり合い向き合う」ことが拓く新たな地平/本間照雄
[対談]「非日常」から「当たり前の毎日」へ/本間照雄×北川進(司会・真壁さおり)
【第3章 震災と文学】
震災と言霊/梶原さい子
文学者として 宗教者として/玄侑宗久
聞き書きを続けて/いとうせいこう
新しい〈語り部〉の時代/黒木あるじ
震災10年の東北文学 文芸記者2021年見聞記/阿曽恵
【第4章 仙台短編文学賞】
第5回仙台短編文学賞受賞作発表/川元茂
[選評]東北学院大学賞受賞◎大西晴樹/仙台市長賞◎郡和子
受賞の言葉――大久保蓮/なつせさちこ
「夜を失う」大久保蓮
「金魚の帯」なつせさちこ
【グラビア】
復興の風景 2022年2月/小野みのる
いとうせいこう「東北モノローグ」をゆく/河北新報社写真部