研究室INDEX

工学専攻科は4つの専攻で構成され、次世代のテクノロジーを担う人材を育成しています。

電気工学専攻
応用数理研究室

URL:http://kaminaga-weyl.blogspot.com/

神永 正博

神永 正博 教授

学位:博士(理学)

情報セキュリティ技術をテーマに
数学の視点から基盤技術を構築

電子マネーやICタグ等のIT社会を支える基盤技術である情報セキュリティ技術を軸に、数理物理学や連続スペクトルの数値解析といった数学を様々な分野で役立たせる研究をしています。

研究テーマ
(1)セキュリティ確保のための暗号解読の研究
(2)耐タンパー暗号処理方式に関する研究
研究キーワード
シュレーディンガー作用素 準結晶 電気伝導度 耐タンパー技術 など

先生はこんな人 - Personal Data -

学生に読んで欲しい本を1冊ご紹介ください。
日本語では上下2冊になっていますが、サイモン・シン著・青木薫訳『暗号解読(上下)』新潮文庫ですね。
その本を読んで欲しい理由を教えてください。
暗号と暗号解読の歴史をこれほどドラマチックに描いた本は他にないと思うからです。勉強のスターターにいいと思います。本書を読むと勉強する気になると思いますよ。
現在気になっているコト・モノと、その理由を教えてください。
自分の頭で考えること。
研究を通して学生に伝えたいことは何ですか?
抽象的な数学がいかに現実問題に応用されるか、暗号の研究を通して伝えられればと思います。
研究に取り組んでいて、楽しいと感じる瞬間は?
意外な結果が出たときはわくわくしますね。
研究に取り組む上でのモットーは?
できるだけ誰もやらないことをやる。真似しない。自分で考える。
研究室の雰囲気や特徴について教えてください。
自主性を尊重しています。やる気がある学生には面白い課題を与えることもあります。
今一番力を入れて取り組んでいる研究をひとつ教えてください。
ICカードコンピュータ、ICタグの強制誤動作解析の研究に取り組んでいます。早く言えば、ICカードやICタグを無理矢理誤動作させて、内部の秘密情報を取り出す方法と、その対策の研究です。
その研究が実用化されると将来どのように活かされるでしょう。
ICカードコンピュータやICタグの安全性が高まります。例えば、マイナンバー制度で利用されるICカードや携帯電話のSIM、Edy, nanacoなどの電子マネーの安全性を高めることができます。
先生ご自身が大学院を目指すきっかけは何でしたか。
大学に入学したときから、将来は数学者になるつもりでいました。数学を研究して生活できれば素晴らしいと思ったのです。結果的には、数学、数理物理学、暗号理論という広い領域の研究をすることになりましたが。
先生ご自身はどんな大学院生でしたか。
既存の研究を勉強するのはあまり好きではなく、とにかく新しいことに取り組んでいたように思います。研究室の主流の研究はやらずに、全然違うテーマを研究しました。
大学院生時代、どんなことに夢を抱いていましたか。
一貫して興味があるのは、数学を使って現実的な問題を解くことです。大学院生時代は、準結晶という不思議な物質の電気的な性質を数学的に厳密に証明すること、例えば電気伝導度がどのような性質を持つのかを数学的に明らかにしたいと思っていました。
研究を通して、今先生が未来に抱く「夢」とは。
あらゆるデバイスがインターネットに接続されるようになるには暗号技術が信頼に足るものでなければなりません。強力な暗号で情報漏洩の心配のない世界を作りたいですね。