文部科学省『地(知)の拠点整備事業』関連シンポジウム
「多文化共生社会の行方―ヘイトスピーチ問題の背景・影響・実践的解決―」
目的
東日本大震災時、被災地域において外国出身住民と日本住民の間で大きなトラブルが発生することはなかった。むしろ、特に発災直後においては、外国出 身者が日本人の地域住民を支援・救援する状況が目立った。また、周知の通り、海外からは多くの人々がボランティア活動を行うために被災地を訪れもした。こ のように震災後は、大規模に国境を越えた「友愛」や「連帯」が被災地を中心に生まれた。
その一方で、震災から4年が経った今、日本国内では、国を超えた友愛や連帯の機運は影をひそめ、逆に、東京や大阪を中心に特に在日コリアンを標的にした 「ヘイトスピーチ」、すなわち憎悪や偏見を煽る表現行為が目立つようになっている。今のところ、東北圏ではこうしたヘイトスピーチの動きは本格化してはい ないものの、今後、浸透してくる可能性は否定できない。こうした現状を考えるとき、ヘイトスピーチがなぜ今、起こっているのか、どのようにして防ぐことが できるのか、またどのようにして被害者の傷をいやすことができるのか、という問題について、一時的にせよ震災後に国境を越えた連帯や友愛を大規模に経験し た被災地において考えるのは意義深いものと信じる。
主催
東北学院大学地域共生推進機構
実施期間・場所
・期日:平成27年(2015)年3月21日(土) 13:30~17:00(13:00開場)
・場所:東北学院大学土樋キャンパス8号館(5階)押川記念ホール
プログラム
13:30~ 開会挨拶
13:40~ 第Ⅰ部 ヘイトスピーチ問題はどのようにして生まれたか
・発表1「ヘイトスピーチと現代社会」(鄭暎惠さん) 〈30分程度〉
・発表2「ヘイトスピーチと報道」 (石橋英昭さん) 〈20分程度〉
・発表3「ヘイトスピーチと若者文化」(和泉奈緒さん) 〈10分程度〉
14:50~ 第Ⅱ部 ヘイトスピーチ問題とどう闘うか
・発表4「ヘイトスピーチと法的規制」(明戸隆浩さん) 〈30分程度〉
・発表5「ヘイトスピーチと反ヘイト運動」(金明秀さん)〈30分程度〉
16:00~ 第Ⅲ部 多文化共生と地域の未来
・発表のまとめと問題提起(郭基煥 本学経済学部教授) 〈15分程度〉
・総合討論「ヘイトスピーチと闘う〈地域資源〉は何か」 〈45分程度〉
(上記発表者+国際交流団体・人権団体など)
17:10~ 閉会挨拶
発題者/討論参加者(発表順)
・鄭 暎惠さん(大妻女子大学人間関係学部教授)
・石橋英昭さん(朝日新聞記者)
・和泉奈緒さん(東北学院大学経済学研究科修士1年)
・明戸隆浩さん(関東学院大学ほか非常勤講師)
・金 明秀さん(関西学院大学社会学部教授)
・郭 基煥 (東北学院大学経済学部教授)
・佐藤信行さん(在日韓国人問題研究所所長) ※第Ⅲ部討論司会