地域は私たちが生きる「現場」です。そこには多様で複雑な課題が多数存在し、その解決には複数の学問分野を学び、物事を総合的に理解する力が求められます。
地域総合学部(Faculty of Regional Studies=FoReSt(フォレスト:杜)では、地理学、地球科学、生態学、社会学、社会福祉学、教育学、経済学、経営学、政治学、文化人類学などを学ぶことができ、まさに「知の杜」といってふさわしい学問分野の広さに大きな特⻑があります。
また地域総合学部の学びの杜は教室だけにとどまりません。多彩なフィールドワーク(現地調査)を通して地域のさまざまな人々とつながり、共に解決策を考え、協働することで、全ての人々とその未来にとってよりよい地域社会の創造をめざします。
現代社会は情報に満ち溢れています。解決すべき問題も多種多様です。私たちの生活をより豊かにするためには、膨大な情報から必要な情報を見つけ出し活用する力が不可欠で、この力は文理の区別なく求められるものです。
本学部では、情報を扱うための基礎知識と「問題発見力・問題解決力・コミュニケーション力」を身に付け、さまざまな業種で活躍できる人材を育てることをめざします。多角的な視点を養えるように情報科学・数理科学・社会科学などを幅広く学ぶことができるのも本学部の特色です。
人間の心を深く理解するには心そのものに注目するだけでなく、心と密接につながる身体、そして心をもつ人同士のつながりが作り出す社会についても知る必要があります。本学部ではこの視点に立ち、全ての学生が心理学の基礎・応用・臨床、そして関連領域である身体運動科学や社会学を総合的に学びます。この幅広いカリキュラムにより、人間を多角的・実証的に捉えると同時に、現代人が抱えるさまざまな心身の問題に対処できる人材の育成をめざします。
近年の相次ぐ震災や豪雨災害のみならず、コロナ禍の⻑期化で心と身体の健康管理における心理学と行動科学の重要性が一層認識されるようになりました。私たちの心身や社会の問題は平時よりも非常時とその後の暮らしの中で表れやすいからです。人間の心の働きと行動の仕組みを多角的に学ぶことで、自己や他者の心と身体の諸側面を理解できるようになるだけでなく、その理解が私たちの社会をよりよくすることにつながると考えます。
本学部がめざすのは、異なる背景を持つ人々とともに考え行動できる「よき地球市民」の育成です。重視されるのは、日本と東アジアに軸足を置きつつ世界を幅広く視野に入れること、そして言語・文化・社会の多様性を学びながら、問題の所在や解決すべき課題を発見することです。
本学部は、グローバル化社会の縮図のような環境を提供したいと願っています。出身国や専門分野の違いを越えて複数の言語を使いながら協力する教員達に接することで「国際」が身近に感じられるでしょう。日本の多言語環境では日本語が共通語となることも多いので、日本語教育について学ぶプログラムも備えています。地域の外国人を支援する活動を通して異文化コミュニケーションを実践的に学ぶ機会もあります。