研究室・設備ピックアップ|機械工学専攻

充実した設備環境が研究の最先端を切り拓く

知能システム数理研究室 魚橋 慶子 教授 学位:博士(理学)
【主な研究 】 q指数型分布族の葉層構造と情報幾何、非整数階微分によるシステム表現

情報幾何と微分幾何の理論で統計的ふるまいを捉え直し、
新しいシステム表現を目指す。

情報熱力学を中心に、システム制御理論と情報幾何学の研究を行う知能システム数理研究室。情報熱力学とは、情報の広がりを熱移動の統計的な性質と対応させる学問であり、その応用範囲は地球から宇宙システムにまで広がる。
この研究室では、システム制御理論と情報幾何学・微分幾何学を活用し、システムの数理モデル化を推進。特に、一般的な微分だけでなく「q微分」や「非整数階微分」といった変形微分を用いることで、AIや機械学習の基盤となる数学モデルの構築を目指している。
大学院生たちは、自動車のサスペンション制御や非整数階微分を用いた状態空間表現、経済現象のモデル化などをテーマに日々、研究に勤しむ。
特色は、個々の大学院生が独自テーマを持ち、手分けして数値実験に取り組むスタイルであること。また実践的なソフトウェアを活用し、自動車関連企業でも応用可能な技術力を育成。研究室全体で1つのテーマを追うのではなく、それぞれの興味や課題に基づき、多角的なアプローチを大切にしている。
情報幾何学を応用する研究の一環として、ヒトの血流特性に関する考察も行う。現段階では直接、情報幾何学に関連付いてはいないが、ヒトの特定の血管床の軟化により低周波の血流が増幅され、不定愁訴の原因となるという理論がインドの医学系学会誌に掲載された。従来、心拍の周波数の血流を等価電気回路モデルで表すことはされてきた。しかし、それよりも低い周波数(長い周期)で変化する血流に着目すること自体が、新たな視点から血流の動態を説明する理論として注目されている。
同研究室では、詳細な回路モデルの作成や、システム制御に詳しくない一般の医師・患者にわかりやすく説明する方法を考えることも課題としている。
魚橋教授は、「目先の利益を追うのではなく、理論が社会の大きな利益に繋がるような研究を続けたい」と語る。自然法則や数式に従う姿勢を大切にしつつも、理屈を社会に役立てる意識を持つことが重要であるという。
将来的には、非整数階微分を情報幾何学の枠組みで再解釈し、軟らかい物体の動きのモデル化と制御へ応用することを目指している。デジタルツイン技術を活かし、動物の軟らかい組織などのモデルの再構築にも意欲的だ。
この研究室では、計算が好きで物事の本質を追求する姿勢を持つ人材を歓迎している。

5軸制御立形マシニングセンタ

5軸制御立形マシニングセンタ
X,Y,Z軸に加えてB,C軸があります。コンパクトな設計で30,000rpmで切削可能です。3軸加工では複雑形状の場合、工具の干渉により切削不可能な場合が多くありました。しかし、今後はより多くの安定した加工が期待できます。
精密加工研究室/斎藤 修 教授

精密万能試験機(オートグラフAGX-300kNV)

精密万能試験機(オートグラフAGX-300kNV)
高分子から金属まで広範囲な材料を対象として、その力学的特性(引張、曲げ、圧縮)等を測定でき、材料開発や特性評価において欠かせない実験設備です。
材料信頼性工学研究室/李 渊 准教授

ポンプ性能試験装置

ポンプ性能試験装置
流体工学の教育研究にとって重要な実験装置である本ポンプ性能試験装置には最新のセンサー、バルブ等が搭載され、コンピューターで監視・制御可能となっております。大学院生にとっても水流を取り扱う貴重な研究の機会を与えます。
熱流動シミュレーション研究室/小野 憲文 教授