バーチャルリアリティ研究室 佐瀬 一弥 准教授 学位:博士(工学)
【主な研究】 触覚再現のための指変形シミュレーション、個人別手モデルの開発など
バーチャルリアリティ研究室は、VR環境における臨場感の高い感覚再現を目指している。特に「触覚」の再現に力点を置き、いかにバーチャルな物体の感触を再現するかという課題に挑む。VRでの触覚再現は、すでに手術トレーニングや3次元デザインなどで活用されているが、さらなる品質向上や普及のために研究を進めていく必要がある。現在、主に取り組んでいる研究テーマの1つは「触覚再現のための指変形シミュレーション」というものだ。人間は、皮下に存在する機械受容器が脳に電気信号を伝えることで、触覚(皮膚感覚)を感じるといわれる。機械受容器は体表に高密度に分布しており、これらが皮膚の変形に伴ってどのような信号を発するのか、そのメカニズムを解明することが重要である。本研究室では、指の変形シミュレーション手法を開発し、さまざまな作業における機械受容器の活動を予測して、VRでの応用に役立てたいと考えている。東北大学・神戸大学との共同研究では、指に高密度な触覚刺激を与えるデバイスを開発し、本研究室の指モデルと組み合わせて学会発表を行った。この発表により、AsiaHaptics2022 Silver Winnerやバーチャルリアリティ学会学術奨励賞などを受賞している。また、もう1つの主要研究テーマは「個人別手モデルの開発」だ。手や指の形状・大きさ・硬さなどは、人によって異なり、それが触覚の感じ方に影響を与えている可能性がある。そこで本研究室では、個人の手の大きさや硬さをデジタルモデリングして、その人の体感に忠実な触覚を、VR環境で再現する研究を進めている。これらの研究は、ペン型触覚提示装置や3Dスキャナ、触覚アレイセンサ、モーションキャプチャグローブ、光造形3Dプリンタなどの充実した設備を用いて、自由度の高い環境で行われている。さらに、こうしたVR研究で得られた知見を活かし、科学・防災教材の開発にも研究範囲を広げている。本学の水工学研究室との共同研究では、津波災害をテーマにした防災教育ゲームの開発を行った。また、本学附属幼稚園で科学体験教室なども実施した。佐瀬准教授は「手を動かし続ける研究者でありたい」という信念を持つ。悩みながらも動き続けて、本研究室にしかできない唯一のVR体験を実現していきたい。また、そんな思いで研究に臨む学生をサポートしたいと考えている。
X,Y,Z軸に加えてB,C軸があります。コンパクトな設計で30,000rpmで切削可能です。3軸加工では複雑形状の場合、工具の干渉により切削不可能な場合が多くありました。しかし、今後はより多くの安定した加工が期待できます。
精密加工研究室/斎藤 修 教授
高分子から金属まで広範囲な材料を対象として、その力学的特性(引張、曲げ、圧縮)等を測定でき、材料開発や特性評価において欠かせない実験設備です。
材料信頼性工学研究室/李 渊 准教授
流体工学の教育研究にとって重要な実験装置である本ポンプ性能試験装置には最新のセンサー、バルブ等が搭載され、コンピューターで監視・制御可能となっております。大学院生にとっても水流を取り扱う貴重な研究の機会を与えます。
熱流動シミュレーション研究室/小野 憲文 教授