2019年度後期「地域の課題Ⅱ(地域企業版)」実施報告

「みやぎ・せんだい協働教育基盤による地域高度人材の育成」事業における「単位互換コア科目」の一つであり、東北学院大学2年次を対象とした2019年度後期「地域の課題Ⅱ(地域企業版)」の講義が終了しました。

本事業における単位互換コア科目は、「地域の課題Ⅰ」、「地域の課題Ⅱ」及び「地域課題演習」の3科目で構成されるミニカリキュラムです。「地域の課題Ⅱ(地域企業版)」は、その第2段階にあたり、地域企業の課題をテーマとして、「地域の課題Ⅰ(地域企業版)」で身につけた知識とフレームワークをもとに、「知のつくり方」の中核である課題解決、仮説設定の手法を体験的に学びました。特に今年度は、マーケティングやデータ分析についての理解を深め、それらを活用し、地域企業のあるべき姿に向けた課題を見いだし、その解決のために自分自身が3週間で取り組むことを前提としたプロジェクトを設計しました。プロジェクト設計をとおして既有の知識を組み合わせて、新たな知を組み立てることに取り組みました。

今年度の講義では、10月7日、11月25日の講義で、マーケティングリサーチ業界において国内屈指の企業である株式会社マクロミル仙台オフィスと連携し、寄附講座として講義を実施し、講義と課題によりマーケティングに関する理解を深めました。また、10月28日の講義には、宮城県内の企業経営者にお越しいただき、学生自らがインタビューを実施し、企業の現状を調査しました。その後の講義では、調査をもとにチームで企業の将来像を描き、課題を抽出して解決のための仮説を設定し、ブラッシュアップを繰り返しながら自らが取り組むプロジェクトを設計しました。最終回の講義では、インタビューを行った宮城県内の企業経営者に各チームが設計したプロジェクトのプレゼンテーションを行いました。

また、地域高度人材指標開発・評価部会にて作成した指標項目(持続的挑戦、ネットワーク分析、ネットワーク構築)をもとに、講義の学習目標や講義計画等と照らし合わせて下位指標を設定しました。それぞれの下位指標として、持続的挑戦には「戦略的計画」「仮説検証」、ネットワーク分析では「価値判断」、ネットワーク構築では「信頼関係構築」を設定し、講義内のミニッツペーパーや課題解決プロジェクト等の形成的評価の指標として活用しました。

受講した学生からは、講義で学んだ最も大切なこととして「課題を解決するためには何が必要なのか、目標を道筋をたてて設定する力を重点的に身につけることができた」「何か案を出すと必ず『何故?』と聞かれた。その事から理由や理屈が見えてきて、次のステップへ視野が広がった。何事も根本に戻る事が大切だ」「凄く濃い内容の授業だった。目標や将来像に向けた課題を考えることが一番大切なことだと思った。普段の生活でも実行したい」等が挙げられました。

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