連携大学院(独)産業技術総合研究所東北センター

連携大学院 (独)産業技術総合研究所東北センター連携大学院とは大学院の学術研究及び教育水準の向上を図ることを目的として、国や企業の研究機関に所属する優れた業績を有する研究者を客員教授として招聘し、また大学院生が連携先の設備を利用して研究を行うことが出来る画期的な制度です。工学研究科では「国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)」と連携協定を結んでおり、院生は宮城野区にある「産総研東北センター」にて研究指導を受けたり、実験を行うことができます。詳しくは指導教員または学務係(大学院窓口)へ相談してください。

平成31年度 研究課題予定一覧

指導教員
化学プロセス研究部門 三村 直樹
研究課題
金属ナノ粒子触媒によるバイオマスを原料とする化学反応の研究
― 空気から役に立つ物質を作りだす ―
研究概要
(1)金属(特に「金」などの貴金属)を10nm以下にナノサイズ化して固体の表面に分散・固定することで高性能な触媒(化学反応を促進する働きを持つ物質)を作ります。これは、ノーベル賞候補にもなった首都大学東京(元産総研)・春田教授による日本発の独自技術を発展させるものです。金属のサイズをコントロールしたり、複数種の金属を組み合わせて複合化したりすることで、今までにない高性能触媒を生み出すことが目標です。
(2)触媒を用いてバイオマス資源の変換反応を行い、より価値の高い高機能分子を合成します。
植物(バイオマス)は光合成により空気中の二酸化炭素を取り込んで生長しますが、その植物由来の原料を空気中の酸素と反応させて高機能分子を合成することで、「空気から役に立つ物質を作りだす」ことを目指します。化学反応の条件を詳しく検討し、反応の効率を高め省エネルギー・低コスト化することが目標です。
(1)、(2)ともに、目標達成のためには、安全かつ確実な実験技術を身につけて、探索的な実験を地道に粘り強く繰り返すことが大切です。
使用機器
流通式反応装置、液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ、紫外可視分光光度計、熱重量測定装置、X線回折装置、ほか
その他
★薬品を使う化学実験だけではなく、反応装置の設計・製作や、分析装置の電子制御など、専門性や興味関心も取り入れてテーマ設定をしたいと考えています。
★産総研主催の「イノベーションスクール*」に参加できる機会があります。
*講義、討論、実習などを通じて若きイノベーション人材の育成を行う産総研独自の制度。
指導教員
化学プロセス研究部門 西岡 将輝
研究課題
電子レンジ技術を利用した抗菌性素材製造方法に関する研究
研究概要
病院での感染防止や電車内のインフルエンザ予防など、抗菌性素材(手すり、マスク等)は我々の安全・安心な空間を作るうえで不可欠になってきている。抗菌性は銀や銅などから発生する金属イオンにより発現するが、少量の金属で高い抗菌性を得るためには、ナノ粒子化が有効である。本研究では、フィルムや繊維上に直接抗菌性ナノ粒子を形成するため、マイクロ波加熱を用いた技術開発を行う。金属やナノ粒子の分析や、マイクロ波温度制御、フィルム・繊維の自動送り、化学反応のなど、様々な要素技術を組み合わせが
使用機器
TEM(透過型電子顕微鏡)、SEM(走査型電子顕微鏡)、XRD(エックス線回折)、マイクロ波装置(自作)、LabView、
その他
シート型反応装置

学生と一緒に試作したシート型反応装置
中央アルミ製容器がマイクロ波装置(自作)

これまで東北学院大、山形大、仙台高専他20人以上と一緒に研究開発を進めてきました。企業との共同研究テーマを通し、基礎研究がどのように民間企業の製品に繋がっていくか、一緒に経験してみませんか。

指導教員
化学プロセス研究部門 相澤 崇史
研究課題
二酸化炭素を利用した樹脂多孔体製造プロセスの開発
研究概要
繊維状の樹脂を二酸化炭素中でプレスすると繊維同士が接合し樹脂多孔体が作成される。本研究課題では、樹脂の種類、繊維径、繊維形状、プレス条件と、出来上がる多孔体の物性について研究する。
使用機器
樹脂多孔体製造装置、走査型電子顕微鏡、引張試験機
指導教員
化学プロセス研究部門 藤原 正浩
研究課題
地球温暖化抑制を目指した二酸化炭素等の固定化技術の研究
研究概要
化石資源・化石燃料の消費による二酸化炭素の大量排出は、深刻な地球温暖化や気候変動をもたらしています。そのため現代社会に必要な燃料は、化石資源に由来しない太陽光等の再生可能エネルギーを用いて製造されることが必須です。本研究では、発電所等の固定発生源から回収した二酸化炭素や、バイオマスを処理して得られる混合ガスを、太陽光エネルギーから作られた水素と反応させることで、現に社会や産業に広範に利用されている燃料(プロパンガス、ガソリン等)や化成品原料(エチレン、プロピレン等)を製造する触媒に関する研究を行います(概念図を下に示します)。
使用機器
流通式触媒反応装置、紫外可視分光光度計、赤外線分光装置、走査型電子顕微鏡、自動比表面積/細孔分布測定装置、粉末X線回折装置
その他
本研究では、無機合成、触媒性能評価、材料特性評価等、総合的な触媒科学や地球環境化学に関する研究活動を行います
指導教員
化学プロセス研究部門 藤原 正浩
研究課題
太陽光利用による水浄化、海水淡水化技術の研究
研究概要
地球規模の人口増加や地球温暖化に伴う気候変動により、水不足問題はますます深刻さを増してきています。汚染水の浄化や海水の淡水化で使用可能な水(淡水等)は得られますが、この水処理に化石燃料を消費することは地球温暖化をさらに進めるため、避けなければなりません。そこで本研究では、産業技術総合研究所が独自に開発した太陽光に応答・反応して分離機能を発現する有機基修飾多孔性膜を使用し、太陽光を直接用い、化石燃料を消費しない新規な水浄化・海水淡水化技術を研究します(概念図を下に示します)。
使用機器
紫外可視分光光度計、光源ランプ、レーザ回折式粒子径分布測定装置、赤外線分光装置、走査型電子顕微鏡、自動比表面積/細孔分布測定装置。
その他
本研究では、水浄化装置の試作、材料合成、材料特性評価等、総合的なプロセス工学等に関する研究活動を行います。
指導教員
化学プロセス研究部門 山口 有朋
研究課題
バイオマスからの有用物質製造
研究概要
バイオマス(木や草など)から効率良く有用物質を製造することが研究のテーマです。
現在、石油などの化石燃料の燃焼により二酸化炭素が増加し、地球温暖化が進行しています。バイオマスは、石油に代わる再生可能な資源として期待されています。世界各地でのバイオマスの利用方法として、トウモロコシからアルコール燃料の生産、大豆油などからディーゼル燃料の生産が行われており、食物価格の高騰が社会問題となっています。そこで、食べられないバイオマスから有用物質を生産する技術が必要となっています。
我々の研究グループでは、バイオマス(食べられない木や草など)から有用物質を生産する装置を開発しています。バイオマスを高温の水中で反応させることにより、有用物質を製造する技術を新たに開発します。
使用機器
高圧反応装置、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー
その他
以下のような学生を希望します。
・新しい装置の作製・技術開発を行うのが好きな人。