あなたの未来を切り拓く大学院進学は、知識と可能性を広げる第一歩
工学部に籍を置いた4年間で、『工学とは何か』と考えたことはありますか?数学や物理、専門科目の知識を身に付けることで精いっぱいで、そういうことに思いを巡らすことはなかったかもしれません。数学や物理などの法則は、人が介入できない『真実』です(『人が知り得る現時点での』という注釈付きですが)。一方、工学とは科学の知識・法則を用いて、生きとし生けるものの幸福のために、実社会の諸問題を解決する技術を設計・開発・応用する学問です。
4年次の卒業研究は、時間的制約もあり、多くは工学研究のための『道具』の使い方を学ぶだけで終わってしまいます。大学院では、工学の諸問題を解決するための研究、新技術の開発、それを自発的に行う力を持つ研究者の育成が目的であり、そのために多くの時間を使い、集中できます。もちろん、研究テーマに関連した幅広い知識の習得も必要です。
大学院はこうした人材を育成する場であり、学外の学会・研究会での発表が義務付けられています。国際学会で英語での発表の機会を与えられ、多くの研究者との技術交流も行うことでネットワークを広げ、研究奨励賞や論文発表賞を受賞する大学院生も多数います。対外発表によって、他大学や企業の研究者の発表が聴講でき、研究の最新動向や自身のプレゼン力向上にもつながります。研究・開発に携わる多くの人材が大学院修了生であるのは、多くの技術系企業において『研究開発能力を持つのは大学院修了生』と認識しているからです。
本学には、教育者育成と経済支援を目的としたティーチングアシスタント(TA)制度や、学部と大学院を合わせて5年で修了できる早期卒業制度もあり、学費を抑えて大学院を修了することが可能です。ぜひ大学院に進学し、高度な教育を体系的に学び、研究を発展させてください。一連の研究プロセスを経験・理解した技術者として修了し、国際競争力の強化と未来社会の発展に寄与してください。自分の人生を切り拓き知識と可能性を広げるために、大学院への進学は必要不可欠です。
工学研究科長 石上 忍