研究室・設備ピックアップ|電気工学専攻

最先端の研究に対応可能な研究棟の設備群

応用電磁エネルギー工学研究室 枦 修一郎 教授
【主な研究】 超短パルスレーザーと磁気光学効果を利用した高周波電磁界分布の可視化技術の開発など

研究室での日々の活動

応用電磁エネルギー工学研究室では、磁性材料の特性に関する研究、また、その特性や電磁気現象を応用した技術の研究開発を行っている。 その1つが、超短パルスレーザーと磁気光学効果を利用し、高周波電磁界分布を可視化する技術の開発だ。 これは、非常に短い時間だけ発光するレーザーと、高周波帯でも微弱な磁場に反応する磁気光学結晶を組み合わせて、 電子回路や集積回路内に生じる電磁波のうち、磁界成分の分布を高感度に可視化する計測システムである。 この計測システムにより、40GHz までの高周波近傍磁界の分布測定を実現し、今後はさらに100GHz を超える超高周波帯での可視化を目指している。
また、小型環境発電デバイスの開発や、モーター・発電機用部品材料の磁気特性評価といった研究にも注力している。 小型環境発電デバイスは、磁性材料に外部応力を印加することで磁気特性が変化する現象(逆磁歪効果)を利用した電磁誘導型の振動発電技術だ。 この技術により、身の回りにあるさまざまな振動エネルギーから発電することが可能になる。 将来的には、乾電池サイズの、モバイルバッテリーを兼ねた発電デバイスとして実用化を目指す。 磁気特性評価は、モーターや発電機内の「鉄心」という部品の製造工程で印加される応力が、製品の効率に影響することから、 鉄心を形成する電磁鋼板の磁気特性を解明しようというものだ。 現時点では、独自考案の圧電素子を用いた応力印加機構を導入した磁気特性測定装置を開発し、評価を行っている。

研究者に必要な心構えと育てたい人材

枦教授は研究者として、真摯に丁寧に正確に取り組む姿勢と、課題解決の過程を楽しむことを大切にしている。 また、指導方針としては、探求心を持ち、自分で考え調べ、実際に行動し、その過程や結果を検証することで、自分自身の成長を促せるような人材を育てたいと思っている。

音臨場感無響実験室

音臨場感無響実験室
壁全面で反射波をクサビで吸音する無響室内にスピーカを128チャネル並べコンピュータで制御し別空間で3次元的に収録した音場を空間的に再現する研究や、人間の音に対する臨場感に関する聴取実験などに利用します。
情報コミュニケーション研究室/岩谷 幸雄 教授

ハイブリッドマイクログリッドシステム研究装置

ハイブリッドマイクログリッドシステム研究装置
キャンパス内にある風力発電及び太陽光発電などの再生可能エネルギー電源を利用し、鉛蓄電池とEDLCの2種類の電力貯蔵装置を用いて、電力変動を補償しながら交流・直流の電力を同時に負荷へ安定的に供給できるマイクログリッドの教育研究用実験システムです。
先端電力工学研究室/呉 国紅 教授

高周波近傍電磁界可視化装置

高周波近傍電磁界可視化装置
フェムト(10-12)秒と呼ばれる非常に短い時間だけ発光する超短パルスレーザーと、GHz以上の高周波帯でも微弱な磁場に反応する性質を持つ磁気光学結晶を組み合わせて、電子回路や集積回路内の微細な配線近傍に生じる微弱な電磁波の内、磁界成分の分布を高感度に測定できる装置です。
応用電磁エネルギー工学研究室/枦 修一郎 教授