生体機能情報工学研究室 加藤 和夫 教授 学位:博士(工学)
【主な研究】 生体情報計測に基づく生体機能の解明および医工学への応用に関する研究、空間周波数が潜在的な感覚に与える影響と関連する大脳神経活動の評価など
工学的に生体情報を計測・解析することで、人間の機能を解明し、医工学への応用を目指す研究を行っている。特に生体信号の計測やノイズ除去による特徴抽出といった最先端の電子工学的なアプローチを駆使し、人間の健康や生活の質向上に貢献できる技術の開発を進めている。
研究テーマでは、生体の電気現象を脳波や筋電図で測定したり、人間の視覚特性を評価するために視線の測定を行っている。例えば、空間周波数が潜在的な感覚に与える影響を調査し、それに関連する大脳神経活動や視線応答を評価する取り組みを行っている。また、エラー関連電位に基づくブレイン・マシン・インターフェースの精度向上を目指す試みも行われている。また、最近ではニューラルネットワークによる深層学習の手法を使った脳波信号処理の研究も行っている。
中でも注目されるのが、これまで企業と共同で進めていた「環境空間が人間の大脳神経活動に与える影響評価に関する研究」である。この研究では、住みやすさや快適感、作業効率が向上するような人に優しい建築空間やデザイン、居住空間の設計に寄与する成果が期待されている。企業と連携することで、実社会に還元できる研究を進められる点が、この研究室の魅力の一つだ。
また人間を対象とした研究を行うため、研究者同士のコミュニケーションを大切にしている。大学院生たちが醸し出す雰囲気は明るく楽しく、整理整頓が行き届き清潔であることもこの研究室の特徴だ。加藤教授は「大学院生には、自ら考え、解決する力を身に付けてほしいと考えている。研究が進まないときでも、ふっとアイデアが浮かぶ瞬間があり、そこが研究の面白さ」と話す。粘り強く、コツコツと小さなことを積み重ねる姿勢も大切にしている。
研究成果が、今後の人間の実生活における福祉や生活の質の向上に繋がることを目指すこの研究室の理念は、人間に寄り添う技術を生み出すこと。そんな生体機能情報工学研究室では、電子工学を基盤とした研究を通じて、人間生活を豊かにする技術を生み出すことに取り組んでいる。その目的に賛同し、新たな研究分野にも挑戦する意欲的な若手研究者を歓迎している。人々の幸福を支える研究に共感し、自ら学び続ける意欲を持つ学生の参加を望んでいる。
透過型電子顕微鏡は光学顕微鏡と似たような構造をしており、光のかわりに電子線を用いることで、数nm程度の大きさの試料まで観察できるようにした装置です。試料の形態観察だけでなく、構造を反映した電子回折パターンも同時に撮影することができます。
ナノ物性材料研究室/鈴木 仁志 准教授
半導体デバイスの研究はパーティクルが無いクリーンルームと呼ばれる部屋で行われる。クリーンルーム内では防塵着を着て実験を行う。写真はクリーンルーム内に設置されたフォトリソグラフィ工程用のイエロールームと装置群である。
半導体材料デバイス工学研究室/原 明人 教授
家電製品等から副次的に発生する微弱な電磁波は、他の電子機器の作動を妨げるなどの影響を与える場合があります。これらの電磁波を正確に観測するための部屋がEMC電波暗室です。外からの電磁波を遮断し、さらに内部の壁面反射を抑えることで微弱な電磁波を正確に測定します。
情報伝送工学研究室/川又 憲 教授