研究室・設備ピックアップ|電子工学専攻

充実した設備環境が研究の最先端を切り拓く

磁性材料研究室 嶋 敏之 教授 学位:博士(工学)
【主な研究】 次世代磁石材料(SmFe₁₂系)の開発、薄膜を使った新しい材料設計、粒界制御による性能向上、ナノスケールでの構造と性質の関係解明

ナノ構造制御で磁石材料を高性能化
未来の電動化を支える技術として
省エネルギー社会の実現につなげる。

「材料から未来の技術をつくる」ことを目標に、特にモーターや発電機に使われる磁石材料の性能を高めることで、省エネルギー社会の実現に貢献することを目指す磁性材料研究室。身の回りの電動化を支える“見えない主役”の研究をテーマとしている。
これまでの研究成果としては、磁石材料の性能を大きく左右する「粒界」に着目し、ナノスケールでの構造制御により保磁力を大きく向上させることに成功。特にSm(Fe,Co)₁₂系薄膜においては、粒界相の形成と元素拡散を制御することで、従来に比べて優れた磁気特性を実現した。これらの成果は国際学術誌への掲載や国内外の学会発表として発信され、材料設計の新たな指針として注目を集めている。
研究室の特色は、薄膜作製装置(スパッタリング装置)を中心に、磁気特性評価装置(SQUID)や構造解析装置(XRD)など、材料研究に必要な設備が揃っている点。これにより、「材料を作る」「性質を測る」「構造を調べる」という一連の研究プロセスを研究室内で一貫して行うことができる。
この研究室では、大学院生一人ひとりが主体となって研究を進めることを重視し、自ら課題を見つけて解決に取り組む力を養っている。教員と学生の距離が近く、日常的に議論が行われる風通しの良い環境であるため、疑問やアイデアをすぐに共有できるのも特長。先輩・後輩のつながりも強く、研究の進め方や実験の工夫を学びながら成長できる雰囲気があり、失敗を恐れずに挑戦できる環境づくりを大切にしている。
嶋教授は、「研究は思い通りに進まないことも多く、試行錯誤の連続だが、その過程こそが大きな成長につながる。私自身、長い時間をかけて取り組んだテーマが少しずつ形になっていく過程に、大きなやりがいを感じている。研究を通じて社会に価値を提供するだけでなく、次の世代に知をつなぐ役割を果たせる研究者でありたい」と語る。
将来的には、現在取り組んでいるSmFe₁₂系磁性材料の研究をさらに発展させ、薄膜だけでなくバルク材料への展開を進めることで、実用的な高性能磁石の開発につなげていく。特に、レアアース使用量を抑えつつ高い性能を実現する材料の開発は、エネルギー問題や資源問題の解決にも直結する重要なテーマ。産業界との連携を強化し、研究成果を社会実装へと結びつけることで、実際の製品や技術として世の中に貢献していくことを目指す。

透過型電子顕微鏡

透過型電子顕微鏡
透過型電子顕微鏡は光学顕微鏡と似たような構造をしており、光のかわりに電子線を用いることで、数nm程度の大きさの試料まで観察できるようにした装置です。試料の形態観察だけでなく、構造を反映した電子回折パターンも同時に撮影することができます。
ナノ物性材料研究室/鈴木 仁志 准教授

フォトリソグラフィシステム

フォトリソグラフィシステム
半導体デバイスの研究はパーティクルが無いクリーンルームと呼ばれる部屋で行われる。クリーンルーム内では防塵着を着て実験を行う。写真はクリーンルーム内に設置されたフォトリソグラフィ工程用のイエロールームと装置群である。
半導体材料デバイス工学研究室/原 明人 教授

EMC電波暗室

EMC電波暗室
家電製品等から副次的に発生する微弱な電磁波は、他の電子機器の作動を妨げるなどの影響を与える場合があります。これらの電磁波を正確に観測するための部屋がEMC電波暗室です。外からの電磁波を遮断し、さらに内部の壁面反射を抑えることで微弱な電磁波を正確に測定します。
情報伝送工学研究室/川又 憲 教授