これほど知的好奇心を満足させてくれる
場所は他にありません。

博士前期課程2年 磁性材料研究室 古内 貴大

大学院に進学したのは、将来研究者として社会に貢献したいという思いがあったことと、研究に打ち込む経験は確実に自分の力になるという確信があったからです。学部時代に就職を意識し活動した時期もありましたが、研究職での採用に不安がありましたし、また研究能力やプレゼンテーション能力にもまだまだ自信が持てず、修行するつもりで大学院進学を決めました。所属したのは、学部時代からお世話になっている嶋先生の磁性材料研究室です。現在は、ハイブリッドカーのモータに使用されるネオジム磁石の研究を進めています。研究のプロセスは人それぞれだと思いますが、私の場合は、まず嶋先生から研究の方向性についてアドバイスをいただき、それに基づき実験を行いデータをとり、そこから仮説を立てて検証していくのが基本。プレゼンテーション能力を養うため、毎週1回、自分の研究に関する論文を読んだ感想をパワーポイントにまとめ、研究室の仲間の前で発表する機会も設けられています。国際学会への参加も叶うなど、大学院での毎日は本当に刺激的です。これほど知的好奇心を満足させてくれる場所は他にありません。

未知の領域へ 〜工学の力を信じて挑む〜

学部時代から、磁性材料を研究分野とする嶋先生の研究室に所属しています。近年の省エネ意識の高まりにより普及が進んでいるハイブリッドカーのモータに使用されるネオジム磁石(Nd-Fe-B磁石)が私の研究テーマです。このネオジム磁石は、保磁力(耐熱性)の向上のための重希土類元素が添加されていますが、資源の偏在性や資源そのものが少ないという理由から、重希土類元素フリーのネオジム磁石または同等以上の性能を有する新規材料磁石の開発が急務となっています。私は、その保磁力のメカニズムを解明するため、スパッタと呼ばれる内側が真空になっている装置を利用し、薄膜法を用いてNd-Fe-B薄膜の研究に取り組んでいます。この研究の難しさは、同じ試料の再現ができにくいという点にあります。同じ条件で作製しても、作製2回目、3回目ではまったく異なる結果を示したりすることがあり、常に悩ましい課題となっています。ただ、きっと他の院生や研究者の多くがそうだと思いますが、実験結果に想定した傾向が見られた時は、最高にエキサイトする瞬間です。その傾向に対して自分自身で考察し、次の実験に反映させることが、研究の大きな醍醐味と言えるでしょう。大学院は、教わるのではなく自らの力で未知の領域に挑み、研究に打ち込む意志と姿勢が求められます。そのぶん苦労も絶えませんが、この充実感は大学院ならではのものと思います。

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大学院での1年間 〜研究の醍醐味を感じて〜

Spring

[博士前期課程1年]

卒業研究に基づいて
次のステップへ

大学院に進学した当初は、学部の卒業研究に基づいて次のステップに進むための準備として、学生が主体となって研究テーマに関連することを調べ、その内容を他の院生にプレゼンすることに力を注いでいました。

Summer

[博士前期課程1年]

米国で開催された
国際学会へ参加

8月に米国のアナポリスで開催された国際学会に参加しポスター発表を行いました。英語によるプレゼンは非常に厳しいものがありましたが、この経験をきっかけに英語への意欲が湧きました。英語は今も勉強中です。

Autumn

[博士前期課程1年]

学部生の卒業研究の
指導が本格化

学部生の卒業研究が本格化し、そちらの指導を優先することも多くなりました。TAもそうですが、他人に教えるためにはその知識を体系的に習得している必要があり、自分にとっても良い経験になったと思います。

Winter

[博士前期課程1年]

連日研究室にこもり
研究活動に取り組む

自分の研究活動を進めるため、連日研究室にこもりました。学会参加に向けたポスターや原稿作成などの作業も加え、とても忙しい時期が続きましたが、研究のおもしろさを実感することもでき充実していました。

研究者へのステップ 〜刺激に満ちた学生生活〜

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学部3年
配属当初はメールでやりとり

嶋研究室に配属されましたが、当の嶋先生はドイツに長期出張中で不在。そのため学内では土井先生にご指導いただき、嶋先生にはメールで指示やアドバイスをいただきながら研究に取り組みました。


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学部4年
研究者としての基礎体力を養う

卒業研究のテーマはNd-Fe-B薄膜の作製。情熱を注いで取り組みました。加えて週に1度のゼミ発表、取り組みの成果を報告する月報作成などを通して、研究者としての基礎体力が養えたと思います。


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博士前期課程1年
多忙な時期を乗り越えて

国内外の学会で発表するにあたり、ポスターの作成や論文投稿をする準備を行う時期に大学院の授業も重なっていたので大変な思いをしましたが、それをやり遂げた際には自分の自信になりました。


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博士前期課程2年
身につけたスキルを活かしたい

研究活動も軌道に乗ってきて、自分なりに論文作成の目処もついてきました。学部、大学院で身につけたものを活かせる分野で活躍したいという思いも膨らんでおり、就職活動にも力を入れています。