理論と実践により機械を理解し創造する
本学科では学年進行に応じて、数学などを含む機械の基礎から機械の根幹たる理論、自動車など具体的な機械に直結する応用科目まで、工作・設計製図・各種専門の実験・卒業研究などの実践を含めて学ぶことができます。ただし、順序通りでは「ロボットをつくりたい」と思って入学してもしばらくお預け。そこで裏技的に1年生のときからロボットを開発できる特別コースが存在しています。課外活動団体「ロボット研究会」として活動するこのコースでは、ロボットの実験室で卒業研究と同じ機材類や技術を使っています。自ら手を動かして、ものをつくることに関心のある学生さんが、理論と両輪である実践を早い段階から経験できる機会となっています。

学科長から

学生から
機械知能工学科3年
兼平 晴登さん(岩手県/不来方高等学校出身)
昔からロボットアニメが好きで、ロボット製作にも興味がありました。「ロボット研究会」に入ろうと思ったのは、ロボット作りの機会を増やせるところに惹かれたからです。大学祭や学外のロボットコンテストに向けて製作チームをつくり、それぞれ役割を決めて作り上げる楽しさはありますね。最初は何から手を付けていいのか分からず苦戦しましたが、仲間たちと一緒に考えたり、先輩からアドバイスをいただいたりしながら作ることができるところに魅力を感じています。自作のロボットはエラーが多いので、その原因を突き止めてプログラムを修正し、正しく動作させることができたときは、ロボット作りのおもしろさを実感しました。将来についてはまだ模索中ですが、産業ロボットの開発・製造など、研究会での実践を通して身に付けた知識・技術を活かせる職業を考えています。
※2020年当時の内容です
機械知能工学科長
魚橋 慶子 教授
機械知能工学科では、モノづくりとしてのハード面と、機械を賢く動かすソフト面に通じた人材を輩出してきました。低学年次には、工業高校・普通高校出身者双方に対応した数学・物理のほか、「プログラミング」などを学びます。モノを賢く動かすための基礎科目としては「メカトロニクス」「ロボット工学」などがあります。そして新材料を開発・設計する「スマートデザインプラン」、次世代のエネルギー源・自動車に関する「グリーンエナジーシステムプラン」、生命と機械をつなぐ「バイオロボティクスプラン」、各分野を総合する「メカノエンジニアリングプラン」のいずれかを勧めています。
モノの動きをシミュレーションする技術は、経済システムや感染症伝搬ネットワークなどの研究にも活かされているほか、近年ではVR(仮想現実)空間上のモノづくりでも要請されています。知的なモノづくりを広げるための基礎・応用について、機械知能工学科では皆さんとともに考えます。