東北学院大学震災の記録プロジェクト『私の夢まで、会いに来てくれた ―3.11 亡き人とのそれから』(朝日新聞出版社)記者発表開催
2018年02月26日
東北学院大学教養学部 金菱清教授の指導ゼミナールの学生たち(東北学院大学震災の記録プロジェクト)による編著『私の夢まで、会いに来てくれた ―3.11 亡き人とのそれから』が2月20日発売されました。その翌日の21日には、ゼミ学生による報道機関対応の記者発表が泉キャンパス5号館で開催されました。
東北学院大学震災の記録プロジェクトは、震災の翌年から『3.11慟哭の記録』(2012年3月 新曜社刊)、『千年災禍の海辺学 なぜそれでも人は海で暮らすのか』(2013年4月 生活書院刊)、『震災メメントモリ 第二の津波に抗して』(2014年5月 新曜社刊)、『呼び覚まされる霊性の震災学 3.11生と死のはざまで』(2016年1月 新曜社刊)、『悲愛 あの日のあなたへ 手紙をつづる』(2017年3月 新曜社)と毎年学生たちのフィールドワークを編集し上梓してきました。
なかでも一昨年の『呼び覚まされる霊性の震災学―』は社会的にも大きな反響を呼び、海外メディアも含め30社以上が取材に訪れました。今回の『私の夢―』の報道機関向けの発表会は、金菱教授が昨年から取り組んでいる「疑似喪失体験」授業と、本書について問合せと取材の申し込みが増えていたことから、震災7年目が近づいているいま、金菱教授のメディア個別の対応ではなく、新刊の実地調査にあたった学生たちが発表し報道各社の取材に応じるかたちで開催することになったというのが経緯です。
2月21日(水)午後3時、テレビ・新聞12社が泉キャンパスを訪れ、記者発表が始まりました。冒頭、金菱清教授から今回の記者発表の趣旨を説明、引き続き4名のゼミ生が自分の取材内容を発表しました。
教養学部地域構想学科の3年・井出真奈美さん、同・阿部あかりさん、同・會川樹さん、赤間永望さんの4名がそれぞれ10分ほどの発表を終え、4時過ぎからはそれぞれのメディアが当日参加した学生9名に取材を行いました。
当日の東北放送のローカルニュースでの紹介を筆頭に、翌日の河北新報、産経新聞、毎日新聞などに記事が掲載され、朝日新聞社は仙台と東京の記者それぞれが「3.11」前後に記事、論説で取り上げることになっています。NHK仙台では2月27日(火)夕方のローカルニュース『てれまさむね』で8分のニュース、NHK東京の『ニュースシブ5時』では、3月26日の全国放送、そして金菱教授の生出演が決定しています。ぜひこちらもご覧ください。
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来る3月22日(木)夜に、取材希望の報道機関を対象とした『疑似喪失体験』特別授業を開催する予定です。
これは、熊本地震以降、東海・中部・近畿の自治体防災関連部署や大学研究機関から『After3.11 東日本大震災と東北学院』や証言インタビューDVDの資料要請、またBCP(事業継続計画)の研修会などでも同書や『東日本大震災 東北学院 1年の記録(写真集)』の評価が高いこと、また本学が年2回発行している『震災学』(最新号12号は3月発売予定)が高く評価されていることと共通しています。昨年春から震災語り部として活動している高橋匡美さんと金菱教授による疑似喪失体験が、単に毎年の震災メモリアルとしての報道という枠を超え、死生観について深く考える授業として注目されているためです。そのため敢えて「3.11」の7年目を過ぎた日程で開催し、それでも取材する意味があると判断した報道機関を対象とした公開授業となります。
これまで東北学院大学震災の記録プロジェクトによって刊行されてきた一連の書を再読し、さらに新刊と合わせて「疑似喪失体験」を知ることによって気づくこともあるのです。
各報道機関各社には個別にご案内差し上げます。
『私の夢まで、会いに来てくれた —— 3.11 亡き人とのそれから』
出版社: 朝日新聞出版
価格: 1,500円(税別)
ISBN-10: 4022515333
ISBN-13: 978-4022515339
発売日: 2018年2月20日