東北学院大学

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2018年度 時代の音「明治の音」/第1回公演「近代日本のうたの始まり」開催報告

2018年07月30日

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 第一級の音楽家を招き、毎回心躍る演奏とレクチャーで紡ぐコンサートシリーズ「時代の音」。2018年度は「明治の音」と題し、第1回目公演「近代日本のうたの始まり」が7月22日、多賀城キャンパス礼拝堂において開催されました。
 開演に先立ち今井奈緒子教養学部教授は「時代の音は当初から西洋の音楽を中心に行ってきましたが、いつか日本の音楽をテーマに開催したいと思い描いていました。また、明治の始まりから150年という節目の年です。私の祖父母が明治生まれですから、その祖父母たちが生きた時代の歌を皆さんと共に楽しみたいと思っています」とあいさつし、今年度のコンサートでレクチャーをしてくださる塚原康子氏をステージに招きました。
 塚原氏は「今年が明治150年であることに因み明治時代に鳴り響いた音楽を3回のシリーズでご紹介します。第1回目は近代日本で作られた新しい歌の世界に焦点を当てます」と述べ、演奏を担当するソプラノの中江早希氏、バリトンの田中俊太郎氏、ピアノの木下愛子氏の出演者を紹介しました。
 二部構成で行われたレクチャーコンサートでは、唱歌《故郷(ふるさと)》のように、地域・階層を越えて人々がともに歌った拍節的で短い日本語の歌」を近代日本のうたと定義。明治時代に五線譜を読める日本人はほとんどいなかったことや、賛美歌は西洋の音楽に日本語の視点をあわせる実験の場になっていたことなど、賛美歌、保育唱歌、学校唱歌、軍歌、儀式唱歌と儀礼曲、そして芸術歌曲の順で各ジャンルについての解説と出演者による演奏を交えて披露。現代の私たちにとっては懐かしくも新しさを感じさせる明治時代の歌をわかりやすく紐といてくれました。
 塚原氏は「演奏者の歌声とピアノの力で、明治時代に響いていた以上の音楽を聴いていただくことができました。明治から近代日本に繋がる歌の始まりが新たな音楽文化の創造において、いかに大切なものであったのかを感じていただけたなら、それに優る幸せはありません」と述べ、最後はレクチャーコンサートにお越しいただいた皆様と、瀧廉太郎作曲の「花」を合唱し、第1回公演は賑やかに幕を下ろしました。
 第2回公演は12月2日(日)に土樋キャンパス押川記念ホールにおいて開催予定です。皆様のまたのご来場をお待ちしております。

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