東北学院大学

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TGスポーツOB連合会主催「第5回スポーツ講演会『スポーツの可能性と今後について』」開催報告

2019年09月27日

 9月19日、本学土樋キャンパス8号館の押川記念ホールにおいて、障害者ノルディックスキー選手であり、日立ソリューションズ「チームAURORA(アウローラ)」スキー部所属の新田佳浩氏を講師として、TGスポーツOB連合会の主催による「スポーツの可能性と今後について」が開催されました。
 新田氏は、平昌パラリンピックやバンクーバーパラリンピックでの金メダル獲得のほか、様々な大会において優秀な戦績を納めているアスリートです。会場には金メダリストの講演を聴こうと、多くのTGスポーツ連合会員や学生、教職員が集いました。
 講演の冒頭は、新田氏が障害者スポーツに打ち込むまでの経緯を紹介。3歳のころ、農機具に左腕が挟まれ肘から先を失い、その後新田氏の家族がいろいろなことにチャレンジさせないといけないという思いがきっかけとなり、スキーを始めたといいます。パラリンピックとの出会いについては、パラリンピックの父とされるルートヴィヒ・グットマン博士の「失ったものを数えるな。残されたものを最大限に生かせ」という言葉を紹介。スポーツの世界だけにとどまらず、人生の折々に支えとなる言葉であるといえます。
 目標達成において大切にしている心の持ち方について、「やる気」には持続性の違いにより3段階に分かれ、より持続性のあるやる気を持つためには外部からの報酬のみならず、内部からの動機によるやる気が大切であるといいます。さらに、目標を達成する具体的な方法論を自身の経験と結び付けながら解説してくれました。
 最後に、SDGs(持続可能な開発目標)と人生100年時代に触れられ、今後、人間の寿命が100歳まで伸びることが予見されている中で、健康的により良く生きていくにあたり、スポーツがもたらす力は大きく、体を動かすことの大切さや、喜びや悲しみを共有できる力が持続可能な社会の構築に寄与すると信じていると結びました。
 新田氏の講演後、学生から「大会本番で緊張しないために大事なことは何か」との質問に、練習と本番を切り分けて考えるのではなく、日々の練習の延長線上に本番があり、本番で結果を残さなければいけないというネガティブな思考ではなく、結果を出せればヒーローになれるというポジティブな思考になれているかということを念頭に置きながら練習することが大切だといいます。
 障害とともに歩み、数々の壁を乗り越え結果を残してきた新田氏だからこそ、その言葉の一つ一つに重みがあり、会場の参加者は終始その話しに引き込まれ、最後に盛大な拍手をもってスポーツ講演会を終えました。

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