東北学院大学

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復活と創造 東北の地域力⑫「被災地からの発信 震災から十年を迎えるにあたって」開催報告

2019年11月05日

 10月20日、 ホーイ記念館ホールにおいて、河北新報社と連携事業のひとつである鼎談企画、復活と創造 東北の地域力⑫「被災地からの発信 震災から十年を迎えるにあたって」が開催されました。
191105-1_1.jpg 開催に先立ち、大西晴樹学長が登壇し、「来たる発災10年を迎えるにあたり、風化が叫ばれているいま、被災地に暮らす我々はいかに準備すべきかを共に考えたいと思います」とあいさつ。続いて阿部重樹学長室長が191105-1_2.jpg趣旨説明を行いました。所感と取り組み事例報告として、赤坂憲雄氏(学習院大学教授)、今村文彦氏(東北大学災害科学国際研究所所長・教授)、いとうせいこう氏(作家)、古関良行氏(河北新報社論説委員)が順に登壇。4名は民俗学や自然科学、文学、メディアのそれぞれの専門的な独自の観点から震災に深く関わり、現在に至るまでの取り組みや経験を通して感じた所感を語り、震災10年目へ向けて貴重な知見を参加者と共有しました。
 最初に登壇した赤坂教授は福島に深く関わり、原発の問題から再生可能エネルギーの会社設立に関わって地産地消、地域自治・自立がなされている話などを紹介。続いて今村教授は、アーカイブの編集や3.11伝承ロードマップのプロジェクトなど広範囲の連携活動について語り、いとう氏は被災者の傾聴に徹して聞き取り活動を行い、未来に伝承するために百年構想の必要性を力説しました。古関氏は「むすび塾」の活動から住民の体験談の場をつくり、防災に活かす新聞の役割について語りました。
 休憩をはさんでのパネル討論には、パネリストとして大西学長も加わり、コーディネーターとして土方正志氏(荒蝦夷代表)が進行役を務めて、震災から10年を迎える意味をテーマに熱い討論が繰り広げられました。
 福島の被災者の状況は、世界的に見ても難民の状態にあり、新たな災害でも避難所の状況が改善されないため、世界基準まで引き上げることが急務。今後は百年構想のような長期的な視点で、未来へ伝承していく仕組みづくりが重要であると提言し、「迎える10年を百年構想のスタートの年として準備しよう」と宣言。また、地域に関する授業や『震災学』の意義を複眼的に深める意見が述べられました。
 約100人の参加者と防災や復興に活かす知恵を共有したシンポジウムは、最後に百年構想実現にむけた阿部学長室長の閉会のあいさつで幕を閉じました。

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