東北学院大学

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鈴木義男が世界を駆ける――「義男さんと憲法誕生」がNHK WORLD PRIMEで放送

2020年07月20日

 今年5月にNHK Eテレで放送され、話題を呼んだETV特集「義男さんと憲法誕生」。
 来たる7月25日(土)・26日(日)、この番組がNHK WORLD-JAPANのNHK WORLD PRIMEにて放送されることになりました。
 (ETV特集「義男さんと憲法誕生」(2020年5月放送)についてはこちら

 2020年、世界を震撼させている新型コロナウイルス感染症拡大の猛威。日本国内でも、日々の生活に困窮する人々の様子が報じられるようになってきました。
 彼らの救済の拠り所の一つとなっているのが、最低限度の生活を保障した日本国憲法第25条、いわゆる「生存権」規定です。この条文は、第一次世界大戦後に制定されたドイツのワイマール憲法をモデルにしています。
 そのワイマール憲法を学び、それを日本国憲法に取り入れようとしたのが、当時、衆議院議員を務めていた鈴木義男でした。いま、鈴木義男を再評価する動きが大きな高まりを見せています。

 鈴木義男(1894-1963)は、福島県白河で生まれ、東北学院で学び、旧制二高・東京帝国大学と進み、ヨーロッパ留学を経て、東北帝国大学教授を務めました。しかし、普通学校への軍事教育導入に反対し、教壇を追われます。その後、東京で弁護士となり、河上肇・宇野弘蔵・美濃部亮吉・有澤廣巳・宮本百合子など、時の国家権力により弾圧された知識人たちの弁護にも尽力しました。
 終戦後、鈴木は政治家となり、帝国憲法改正案委員小委員会のメンバーの一人として、帝国憲法改正案の審議に携わりました。その小委員会で、鈴木義男は、第9条への平和の文言の挿入や、GHQ草案にはなかった第25条の「生存権」の追加に尽力するなど、重要な役割を果たしました。
 番組では、新たに発見された鈴木義男に関する資料やインタビューなどをもとに、憲法誕生の知られざる舞台裏に迫ります。

 今回の国際放送での配信にあたり、番組タイトルが変更されました。また、海外の方にも興味・関心を持っていただけるよう、番組の再編集が行われました。
 なお、ナレーションの英訳は、映画監督のジャン・ユンカーマン氏が担当されました。ユンカーマン氏は「老人と海」(1990年)、「却火―ヒロシマからの旅―」(1998年、同年度アカデミー賞ノミネート作品)、「チョムスキー9.11」(2002年)などの話題作を手掛けているほか、2005年には映画「日本国憲法」の監督も務めた方です。
 “コロナ禍”だからこそ、鈴木義男が日本国憲法に托した過去・現在・未来への「思い」を、もう一度考えてみたいと思います。ぜひご覧ください。

【番組情報】
NHK WORLD-JAPAN “NHK WORLD PRIME”
Peace and Justice: The Spirit of Japan’s Postwar Constitution

番組ホームページ(下記サイトにて視聴可能。後日オンデマンド配信予定):
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/tv/worldprime/20200725/3016076/

【放送日時】※すべて日本時間
  2020(令和2)年7月25日(土)
    10時10分~11時00分  16時10分~17時00分  22時10分~23時00分
  2020年7月26日(日)
    4時10分~5時00分

【関連ページ】
・ETV特集「義男さんと憲法誕生」(2020年5月2日放送)
   https://www.nhk.jp/p/etv21c/ts/M2ZWLQ6RQP/episode/te/Y8LQQGWKNX/
・74年目の憲法記念日に いま大注目の鈴木義男 NHK ETV特集で放映(東北学院大学)
   https://www.tohoku-gakuin.ac.jp/info/top/200427-4.html
・ジャン・ユンカーマン氏について(株式会社シグロ ホームページ)
   http://www.cine.co.jp/list/junkerman.html

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