【アジア流域文化研究所】中国都城考古学に関する日中学術シンポジウムを開催しました
2025年06月19日
アジア流域文化研究所は、今年の3月22日、23日の両日、中国社会科学院考古研究所の協力を得て、中国都城考古学に関する日中学術シンポジウムを開催しました。本学からは谷口満名誉教授、佐川正敏文学部教授、下倉渉文学部教授、および大学院文学研究科アジア文化史専攻の楊雪雁さんが出席し、共同研究プロジェクトの報告などを行いました。開会にあたりましては、大西晴樹学長からも挨拶をお寄せいただきました。
その概要が中国において紹介されましたので、以下その一部を公開します。なお、全文につきましてはこちらからご覧いただけます(リンク先は中国語)。
中日都城考古学シンポジウム:遼宋金元明清王朝における考古学の新展開に焦点を当てて
3月22日から23日にかけて、中国社会科学院考古学研究所主催の中日都考古学シンポジウムが江蘇省揚州市で開催されました。今回のシンポジウムは「中国都城考古学の新展開5:遼宋金元明清王朝における考古学の新展開」をテーマとし、中国社会科学院考古研究所と東北学院大学との間で進められてきた共同研究プロジェクトを締め括る会として開催されました。中国国内11の研究機関・文化機関、日本の3大学から約50名の専門家・学者が参加しました。
都城考古学は、中国考古学、さらには東アジア考古学における最も重要な学術的課題の一つです。 遼宋金元明清時代は、現今の多元一体的な中華民族の継続的な統合と形成の過程において重要な時期にあたりました。今回のシンポジウムでは、北宋の東京・西京、南宋の臨安、宋代の揚州城、遼の上京に金の上京・中都、元の中都、明の中都、明清時代の北京紫禁城など、これらの城址の発掘に携わる責任者、あるいはその重要研究者が一堂に会して、最新の考古学的成果を共有し、かつ、都城文明と都市システム、建築文化とその技術伝播等々の研究領域において詳細な議論が展開されました。東アジア地域の古代都城考古学および歴史学研究の発展を促進するため、また「大一統」という人文思想と政治理念が古代都城においてどのように歴史的に実現されていたかを深く解明するうえで、このシンポジウムは積極的な貢献を果たしたといえます。