2020年04月27日

　今週5月2日（土）の23時より、NHK　EテレにてETV特集「義男（ギダン）さんと憲法誕生」が放映されます。
　近年、日本国憲法の制定にかかわった人物の再評価が始まっています。その一人が、「ギダンさん」の愛称で親しまれた福島県出身の法学者・弁護士・政治家である鈴木義男（すずきよしお、1894-1963）です。
　鈴木義男は、東北学院・旧制二高・東京帝国大学と進み、ヨーロッパ留学を経て、東北帝国大学教授を務めます。しかし、軍事教練に反対して教壇を追われます。その後、東京で弁護士に転身し、河上肇や宮本百合子など治安維持法違反者の弁護にも尽力しました。
　敗戦直後、衆議院議員になると、1946（昭和21）年夏には帝国憲法改正案委員小委員会のメンバーの一人として、帝国憲法改正案の審議に携わりました。その小委員会で、ギダンさんの提案から第9条に平和の文言が加わったほか、GHQ草案にはなかった第25条の生存権が追加されました。また、最近の研究では、国家賠償請求権や刑事補償請求権もギダンさんらの提案によって追加されたことや、三権分立の確立をめざして尽力していたことも明らかになりました。
　今回の番組では、次々に明らかになる鈴木義男に関する新資料をもとに、法廷での弁論の様子や、小委員会での発言の様子などを忠実に再現しました。
　憲法誕生の陰で長く忘れられていた、日本人による条文の追加・修正に光を当てるとともに、それに力を注いでいた鈴木義男の波乱の生涯を描きます。

　今回、鈴木義男役を演じるのは、俳優の鶴見辰吾氏。
　3年前に放映されたNHKスペシャル「憲法70年～“平和国家”はこうして生まれた～」に引き続き、2度目の登場です。弁護士時代の鈴木義男の弁論の様子、政治家としての鈴木義男の演説などは必見です。その他、斎藤洋介氏（芦田均役）なども出演し、豪華俳優陣でお届けいたします。

　番組を制作するにあたり、長年にわたって鈴木義男の研究を行ってきた仁昌寺正一氏（本学名誉教授）や、田中輝和氏（本学名誉教授）がそれぞれインタビュー取材を受けたほか、仁昌寺氏の所蔵する鈴木義男関連の資料提供なども行いました。
　また、松谷基和氏（本学教養学部准教授）も取材等に協力したほか、本学の東北学院史資料センターでも番組制作に協力いたしました。
　そのほか、東北学院を代表する歴史的建造物の一つであるラーハウザー記念東北学院礼拝堂（国指定登録有形文化財[建造物]）も印象的なシーンで登場します。

　東北学院が輩出し、平和憲法制定の立役者となった鈴木義男の生涯をたどる番組です。
　ぜひご覧ください。

ETV特集「義男(ギダン)さんと憲法誕生」
番組ホームページ
https://www.nhk.jp/p/etv21c/ts/M2ZWLQ6RQP/schedule/te/Y8LQQGWKNX/

＜放送予定＞
【NHK Eテレ】(教育テレビ)
本放送：5月2日（土） 23時〜
再放送：5月6日（水） 24時（7日[木]深夜0時）〜

【NHK BS4K】*
本放送：5月3日（日・祝） 15時〜
再放送：5月12日（火） 11時～
*4K放送を視聴するには、4K対応のチューナーやレコーダーが必要です。

これを読むともっと番組がわかる！？
＜鈴木義男に関する文献＞
・学校法人東北学院『大正デモクラシーと東北学院―杉山元治郎と鈴木義男―』（2006年、東北学院120周年記念事業）

・『東北学院史資料センター年報』Vol.2(2017年)
https://www.tohoku-gakuin.jp/archives/data/annual_2017.pdf

・『東北学院史資料センター年報』Vol.4(2019年)
https://www.tohoku-gakuin.jp/archives/data/annual_2019.pdf

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