教員プロフィール 井出 達郎 教授 担当科目 アメリカ小説Ⅰ・Ⅱ、英米文学講読Ⅱ、アメリカ演劇 研究テーマ 20世紀前半以降の英米文学作品を扱い、「傷つきやすさ(vulnerability)」をテーマに研究しています。個人の独立性や自律性に重きを置く理念とっては克服すべきものとされてきた「傷つきやすさ」が、近代以降の文学の大きなテーマ一つとなり、他者との関わりや応答という積極的な物語を生み出してきたことについて考察しています。 業績 著書 『ヒッピー世代の先覚者たち――対抗文化とアメリカの伝統』(2019)(共著) 論文 "Two Americas in America: The Pursuit of Memory by an American 'Rewriter' in Steve Erickson's Arc d'X." 『北海道アメリカ文学』第20号(2004) "Beyond Incorrect and Correct: Faulkner Studies and Post-Modern Critical Discourses." 『北海道英語英文学』第50号(2005) "Going After 'Jason Compson': The Dialogic Turn in William Faulkner's The Sound and the Fury." 『北海道英語英文学』第51号(2006) "Between the Universalist State and the Outside: 'America' as Double Community in William Faulkner's 'Red Leaves.'" 『北海道アメリカ文学』第24号(2008年) 「『島を愛した男』とD. H. ロレンスのコスモス」 『D. H. ロレンス研究』第22号(2012) 「流れの場としての都市と身体――ヘンリー・ミラー『北回帰線』が描く生のあり方」 『北海道アメリカ文学』第28号(2012) 「死者をおこす――J. D. サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』におけるラザロのエピソードのパロディと死者の存在論」 『東北学院大学英語英文学研究所紀要』第38号 (2013) 「ポール・オースター「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」における視線と贈与としての存在」 『東北学院大学英語英文学研究所紀要』第39号 (2014) 「世界の中に在ること――モダニズム文学における探偵、画家、語り手と「リアルなもの」をめぐるトポロジー」 『東北学院大学英語英文学研究所紀要』第40号 (2015) 「“conception”の転倒に向けて――F. スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』における表層の深さ」 『東北アメリカ文学研究』第38号 (2015) 「「新しい傷」からのつながりに向かって―― レイモンド・カーヴァー「ささやかだけれど、役にたつこと」における“accident”の時間性」 『東北学院大学英語英文学研究所紀要』第41号 (2016) 「ケアのはじまりとしての傷つきやすさ――F. スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』における傷からのつながり」『東北アメリカ文学』第40号(2017) 「反生産者のつながりに向けて――ヘンリー・ミラー『北回帰線』における自伝、家族、資本主義への問い」『デルタ――ヘンリー・ミラー、アナイス・ニン、ロレンス・ダレル研究論文』第11号(2019年) 「偶有性への触発――D. H. ロレンスとキメラの象徴」『東北学院大学英語英文学研究所紀要』第45号 (2020) 「作家論としての「ケアのはじまりとしての傷つきやすさ」――「アルコール依存症の患者」と「家族は風のなか」における個別なものへの応答」『フィッツジェラルド研究』第5号(2022) その他の業績 科学研究費補助金基盤研究(C)「モダニズム期のアメリカ文学におけるケアの契機としての傷つきやすさ」(2021-2024)